
こんにちは。今回は 「HZSOUND WhiteSnow (白雪)」です。手頃な価格ながら高音質設計で充実した付属品などで人気のある「HZSOUND」の新しい低価格モデルです。3千円以下で購入可能ながらバランスの良いニュートラルサウンドで様々な用途で楽しめる製品に仕上がっています。
■ 製品概要と購入方法について
「HZSOUND」は中華イヤホン界隈でも結構老舗に入るブランドですが、ファブレスであることもあり、2020年に「Heart Mirror」シリーズの最初のモデルをリリースするまではイヤホンよりケースなどのアクセサリーの印象が強いブランドでした。しかし「Heart Mirror」リリース後は徐々に音質面の完成度の高さがマニアの間で広がり、気がつけば低価格帯の新たな「定番モデル」となりました。その後「Pro」や「ZERO」などのモデルで派生しつつ「Heart Mirror」シリーズの高い人気とともに「HZSOUND」自体もコストパフォーマンスに優れた高音質ブランドという認知が広がっています。
今回の「HZSOUND WhiteSnow(白雪)」はアンダー30ドル、3千円以下の低価格モデルで、同ブランドのカナル型イヤホンのなかでは最もエントリーグレードの製品です。


ドライバーは10mmサイズのLCP+PU複合振動板ダイナミックドライバーを採用し、N52強力マグネットによる二重磁気回路、デュアルキャビティ設計を採用。ボイスコイルにも高張力のCCAWを使用しています。


フェイスプレートはCNC加工されたメタルカバープレートにドリップ成形によるレジン製のフェイスを装飾し、「白雪」のイメージで美しく仕上げています。ケーブルはqdcコネクタとカバー形状に互換性のある2pin仕様で線材には高純度無酸素銅ケーブルを採用。3.5mmまたはUSB Type-Cプラグを選択でき、3.5mmはマイクの有無が選択可能です。


「HZSOUND WhiteSnow(白雪)」の価格は2,899円(3.5mm)、3,099円(Type-C)です。
Amazon.co.jp(Yinyoo-JP): HZSOUND WhiteSnow(白雪)
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免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Easy Earphones より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージはキャラクター絵デザインの白箱タイプ。同社もエントリーモデルはこのタイプですね。中華イヤホン界隈ではエントリー(より幅広いユーザーを対象にした)モデルではキャラ絵にするほうが「つかみ」が良いと思われているみたいです。数年前からこの傾向は続いていますが実際のマーケティング的にはどうなんでしょうね。


パッケージ内容は本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、交換用メッシュパーツ、布製ポーチ、説明書。今回は3.5mm仕様を選択しました。


本体は樹脂製でKZやTRNなどの既存モデルでお馴染みのシェル形状。もともとは「TFZ SERIES 1/3/5」あたりにルーツのある形状ですね。本体は透明な樹脂製ですが、金属製のカバーを持つレジン製のフェイスプレートにより全体としてまとまりのある印象でフェイスは高級感もあります。


プラグはqdcとカバーの互換性のある2pin仕様で、要するにKZやTRNの「タイプC」と同じタイプです。そのため同様にqdcとコネクタ互換のケーブルでリケーブルが可能です。


ケーブルは2芯の撚り線タイプでシルバーの被膜と太めの線材は「HeartMirror Zero」など既存のエントリーモデル(30ドル超)と比較してもグレードアップしている印象です。2種類のイヤーピースと併せて付属品が低価格モデルでも充実しているのは同社の良い点ですね。
■ サウンドインプレッション
「HZSOUND WhiteSnow(白雪)」の音質傾向はU字あるいはW字方向の弱ドンシャリ。同社の定番人気モデルの「Heart Mirror Pro」や最近の平面駆動ドライバー搭載モデル「LUNA」などの評価の高いサウンドバランスを踏襲しており、比較すると、「HZSOUND WhiteSnow(白雪)」のほうが、やや中低域寄りのミッドセントリックなチューニングで、3千円程度の低価格イヤホンとしては非常にまとまりのあるニュートラル方向のリスニングサウンドに仕上がっています。ボーカル曲を中心に相性が良く、白雪のイメージ通りの透明感と見通しの良い音場感を実感します。また従来の「HeartMirror」などと比較して低域が若干ブーストされ、ボーカル域を下支えするため、聴きやすく心地よいリスニングを楽しめます。「HZSOUND WhiteSnow(白雪)」の高域はLCP振動板らしい明瞭で伸びのある音を鳴らします。いっぽうで歯擦音などは抑えて聴きやすさを維持しつつ明るく煌めきのある音を鳴らしてくれます。
中音域は、多くのW字傾向のイヤホン同様に中高域を中心にアクセントがありボーカル域はやや前傾して再生されます。低価格モデルの場合、ミッドセントリックなチューニングは解像感の不足や粗さを感じやすい側面もありますが、適度な鮮やかさを持ち見通しの良い音を鳴らすことで自然な滑らかさを感じさせる仕上がりとなっており、女性ボーカルおよび男性ボーカルとも綺麗に再生される印象。音場は比較的広がりがあります。またリケーブルによる変化も大きく、情報量の高いケーブルに替えることで解像感や分離が一気に向上するため、滑らかさや聴きやすさと多少トレードオフになるケースもあるもののドライバーのポテンシャルは高い印象です。
低域はニュートラル方向のバランスを維持しつつ重低音を中心に若干ブーストされており、中音域を下支えしています。中音域はPU素材らしい適度に柔軟性を感じる印象で、キレ重視の音ではありませんが分離は良く自然な締まりで鳴ります。重低音は深さとエネルギーがあり全体として心地よいバランスでまとめています。ただある程度駆動力のある再生環境では中高域の存在感が強調されるため、相対的にやや控えめで物足りない印象に感じる場合もあります。リケーブルなどで好みの組み合わせを探してい見るのも良いですね。■ まとめ
というわけで、「HZSOUND WhiteSnow(白雪)」は3千円以下の低価格ながら、HZSOUNDらしいニュートラル方向のバランスの良いチューニングを踏襲し、さらにボーカル域にフォーカスした軽快なサウンドが魅力的なイヤホンに仕上がっていました。ニュートラルベースでミッドセントリックなイヤホンは配信を中心に最近のJ-POPやアニソンなどのリスニングにも最適ですし、自然な広さがあり、より正確な定位を持っていることから、ゲーミング用途や動画視聴などでも実力を発揮しそうです。再生環境やリケーブルによる変化も楽しめるなど、ライトユーザーも含めた多くの方に最適な製品に仕上がっていると思います。








