
こんにちは。今回は 「BQEYZ BQ10」です。最近ではミドルグレード製品が中心となっている「BQEYZ」の久しぶりの低価格モデルで、主にゲーミング用途を意識したモデルとなっています。3.5mmマイクなしとUSB Type-Cのマイク付き「DSP Version」の2種類があり、今回は「DSP Version」のほうでレビューをします。
■ 製品概要と購入方法について
中国のイヤホンブランド「BQEYZ」はOEM/ODM製造メーカーとして長年の実績を持ちつつ、2018年以降独自の製品展開を開始。主に低価格中華ハイブリッドの分野で存在を認知されるようになりました。そして2019年からの「四季」シリーズの各製品の完成度の高いサウンドにより多くのマニアに認知されることになります。そして「四季」シリーズに続き新たにスタートした「ウェザーシリーズ」として「WIND」、「CLOUD」、そして前回レビューした「Frost」と順次リリースしており、高い評価を得ています。
最近ではすっかりミドルグレードのブランドとして定着した「BQEYZ」ですが、「BQEYZ BQ10」は同社としては久しぶりの低価格モデルですね。最初期はいわゆる「KZ ZS6」フォロワーとして好評を得た「K2」などの低価格帯の製品がメインでしたが、当時から製造メーカーとしての技術力には定評がありました。今回の「BQEYZ BQ10」はゲーミングイヤホンという位置づけのようです。


ドライバーにはカスタマイズされた大口径12mmのデュアルキャビティダイナミックドライバーをシングルで搭載。ゲーミングイヤホンとして定位感を重視した設計が行われ、よりスムーズで臨場感あふれるゲーム体験を楽しめます。足音や銃声、環境音効果音など位置と距離を正確に捉え、素早く反応してゲームの勝率を向上させることができます。


シェルは人間工学に基づいた形状に設計されており、金属製フェイスプレートにより魅力的なデザインに仕上げられています。ケーブルは0.78mm 2pin仕様で、3.5mmタイプは銀メッキ線同軸ケーブルを採用。またUSB Type-Cコネクタを採用する「DSP Version」ではコネクタ部分に高音質名オーディオDACチップを搭載。ClassGグレードのアンプ回路を搭載し、スマートフォンなゲーム機などで気軽に利用することができます。


「BQEYZ BQ10」は3.5mm(マイク無し)とType-C(DSPバージョン)の2種類が選択可能。
価格は29.99ドル~、Amazonでは3.5mmが4,599円、Type-Cが4,799円です。
Amazon.co.jp(kukaka/BQEYZ公式ストア): BQEYZ BQ10 ※掲載時10% OFFクーポン配布中
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして BQEYZ Audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで今回はUSB Type-Cコネクタの「BQEYZ BQ10 (DSP Version)」で届きました。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、ケース、説明書。


本体はレジン製のシェルに厚めの金属フェイスパネル、金属製のステムノズルという仕様。接続コネクタは0.78mm 2pin仕様で僅かに窪みがあり、CIEM 2pinのほか、一般的な中華2pin仕様のケーブルでもリケーブルが可能です。


12mmサイズの大口径ダイナミックドライバーをシングルで搭載しますが、シェルは以前のKZやTFZなどのシェル形状と比較すると若干コンパクト。形状としてはフロントキャビティ(装着部分)は同社の「TOPAZ」や「Summer」に近く耳にフィットしやすい形状で装着性が良好な印象です。


イヤーピースは2種類のタイプが付属します。ケーブルは3.5mm仕様では高純度銅銀メッキ線の同軸2芯ケーブルが付属します。これに対し「DSP Version」のType-C仕様では一般的な銅線タイプのようですね。ただし3.5mmではマイク付きは設定されていないため、ゲーミング用とでボイスチャットなどを行う場合はType-C仕様を検討する必要がありますね。
■ サウンドインプレッション

これに対しボーカル域はやや中低域寄りながら癖の無い印象で、特に音場は広く定位感が非常に優れており、ゲーミング向けとして正確な位置把握には最適なチューニングで仕上がっています。リスニング向けとしてもポップスなどのボーカル曲と相性が良くストリーミングを中心に気軽に楽しめる印象ですね。

中音域はやや前傾しつつ癖の無い印象で再生されます。バランスとしてミッドセントリック、若干のカマボコなサウンドのため音像は大きく存在感のある音で鳴ります。ただし前回の「Frost」と似てボーカルだけでなく演奏を含めた中音域全体を持ち上げている印象があり、ハーマンターゲット的なイヤホンで多くあるボーカル域にフォーカスした音作りとは印象が異なります。
ゲーミング用途としては環境音、効果音、音声、BGM等が適切に分離されニュートラルなバランスで、かつ主張を持って明瞭に再生されるため、使いやすい印象を得ることが出来ると思います。

なお、Type-C接続の「DSP Version」では適度に硬質感のある印象で分離もまずまずですが、解像感より滑らかさのほうが優先された印象。情報量の多い銀メッキ線のバランスケーブル等にリケーブルすることでより明瞭感を増すこともできそうですが、ゲーミング用とを考慮すると聴きやすさの点でもこれくらいの方が良いかも、という気もします。なおType-C接続時のサンプリングレートは最大24bit/96kHzのPCMまでに対応のようで、Apple MusicやAmazon Musicのハイレゾでのストリーミングの多くには対応出来ます。
低域はミッドベースを中心に12mmの大口径ドライバーらしい量感とともにインパクトと厚みがあり、力強い印象があります。同時に過度に膨らむこと無く自然な締まりの良さがあるため、多少前面に出るものの中高域と被ることはほぼありません。サブベースは量感や深さは一般的なレベルですが、締まりが良くスピード感があるため全体を引き締め下支えしてくれる印象です。バランスとしてはニュートラルよりですがype-C接続の「DSP Version」では結構エネルギッシュな印象を持つため、ゲーミングや動画視聴でも心地よい臨場感を楽しめると思います。
■ まとめ

またエネルギッシュな低域表現により動画視聴などでも優れた臨場感があり、リスニング用途ではボーカル曲に限らず様々なジャンルの曲を聴き疲れ無く気軽に楽しめるなど、Type-C仕様の「DSP Version」も含め、オールラウンド的なイヤホンとしても良い製品だと思います。
さらに同社のミドルグレード製品である「Frost」ともある程度近いチューニングであることから、リケーブルなどによりリスニング用として追い込むこともある程度は可能ではと思います。個人的にも結構実用性が高い印象で、思ったより使い勝手も良さそうと感じました。