
こんにちは。今回は「ROSESELSA (Rose) Distant Mountain」ヘッドホンです。クラシカルなデザインで非常にクールな印象のオンイヤー型ヘッドホンです。1万円程度のお手頃価格ながら高音質なドライバーを搭載し、見た目の質感だけではなく音質的にも実用的な製品でした。
■ 製品概要と購入方法について
「Rose」は10年以上の歴史のある老舗の中華イヤホンブランドのひとつで、私のブログでもいくつかの製品をレビューしています。今回の「(Rose) ROSESELSA Distant Mountain」ヘッドホンは同ブランドによるヘッドホン製品ですね。最近はイヤホン製品以外にもワイヤレスやオーディオアダプタなど取扱い製品の分野を拡大しています。
「(Rose) ROSESELSA Distant Mountain」は80年代風クラシカルのレトロデザインを採用したヘッドホン製品です。トポロジカル複合振動板と高出力ネオジム磁石を採用した 40mmの大型ダイナミックドライバーユニットを採用し、本体はCNC 加工された金属フレームで構成されたオンイヤーヘッドホンです。


「(Rose) ROSESELSA Distant Mountain」が採用する40mm トポロジカル複合振動板ダイナミックドライバーは鮮明で明瞭なサウンド レスポンスを生成し、専門的なチューニングにより透明感のある高音と深みのある低音を備えたクリアで明瞭なサウンドを実現しています。


またイヤーカップ側面には圧力緩和アレイ設計を採用。適切に空気圧の変化を管理し、装着時の快適性を高めます。透過性が向上し高音域の拡張を大幅に強化し、ドライバーの強力な磁気構造と併せて歪みの少ないよりクリーンなサウンドを提供します。
本体は同軸CNC加工ステンレススチール製ヘッドビームとラムスキン製ヘッドバンドを装備。より快適な装着感を保証し、通気性を高めて、より優れた高音の拡張を実現します。ケーブルはMMCXコネクタを採用しており、リケーブルも可能。


カラーバリエーションは「ブラック」と「ブラウン」の2色を選択可能。またHiFiGo(直営ストア、アマゾン)ではUSB Type-C変換アダプター「RZ200m」付属モデルを選択可能です。
「ROSESELSA Distant Mountain」の価格は64.99ドル、「RZ200-m」付属が69.99ドルです。
アマゾンでは10,670円~、国内正規品は11,800円です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HiFiGo より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は「ブラック」の「RZ200m」付属モデルで届きました。製品写真を載せたちょっとクールな雰囲気のパッケージデザインですね。


パッケージ内容は、ヘッドホン本体、ケーブル、ドーナツ型イヤーパッド、説明書など。またType-Cアダプター付属モデルのため「RZ200m」アダプターも付属。また届いたパッケージには説明書と一緒にアクリルスタンドも同梱していました(全てのモデルにアクスタが付属するかは不明です)。


クラシカルデザインの「(Rose) ROSESELSA Distant Mountain」は非常に軽量で、お洒落な雰囲気のデザインで非常に魅力的な外観です。最近はオーバーイヤータイプのヘッドホン製品が優先でもワイヤレスでも多くなっているのでコンパクトなオンイヤー型の新製品はそれだけでも結構レアな存在かもしれません。特に屋外での利用でサイズの大きなヘッドホンはちょっと、と思っている方にも使いやすいサイズ感は結構ニーズがありそうな気がします。また金属製のイヤーカップ部とフェイクレザーのヘッドバンドは高級感があるため色々なファッションとも合わせやすい印象です。


オンイヤー型のため側圧は少し強めで、イヤーパッドの厚みもありSennheiserの「Momentum On-Ear」あたりと比べると若干硬さもありますが、フィット感はかなり良く、例えば「Koss PORTAPRO」あたりより快適です。この辺は価格相応に良くなっている印象です。側面に空気調整のベントがあるため、それなりに音漏れがあるため、静かな場所では注意した方が良いでしょう。


ケーブルはMMCXコネクタ仕様。といってもShureのような独自カバー形状ではなく、イヤホンと同じ一般的なMMCXですので、耳掛け加工のないケーブルであればリケーブル可能です。Type-Cコネクタ付きモデルでは、既存のイヤホン製品でも付属している「RZ200m」が同梱されます。また説明書の一緒にアクリルスタンドも同梱されていました。
■ サウンドインプレッション

なおType-C変換コネクタ付きの場合は「Rose RZ200m」という変換アダプターが付属しますが、例えばiPhone16の場合は中央の音量ではやや小さめでさらに10~15%程度は音量をアップする必要があります。そこまで高音質なDACチップを採用しているわけでは無いため、音量を上げるとやや歪みが出やすくメリハリは強めに変化する可能性もあります。これは「RZ200m」は既存の(より反応の良い)Rose製イヤホン製品に付属していたもので、「(Rose) ROSESELSA Distant Mountain」専用というわけではないためかと思います。国内版では「RZ200m」付属モデルの設定はありませんが、確かにそちらのほうが妥当な選択かもしれませんね。

振動板にはトポロジー振動板(振動板に幾何学模様を描くことで歪みを抑え調整する技法)の効果もあって直線的な印象で、若干暗めではあるものの適度な煌めきのある抜けの良い音を鳴らします。
イヤーパッドは付属するドーナツ型を使用した方が高域の明瞭感はより向上しますが、再生環境によっては刺激を感じやすくなるため、好みによって選択するのが良いでしょう。

女性ボーカルの高音など中高域付近にアクセントがあり明瞭でスッキリとした伸びのある印象があります。寒色系の硬質な印象で、「RZ200m」を使用した場合は少しざらつきのあるドライ感があるかもしれません。ドライバー自体のポテンシャルは高いため、この辺はより高音質なポータブルアダプターやDAP、アンプを使用することで改善されます。男性ボーカルや演奏も光沢がありエネルギッシュな印象です。
音場は広さは一般的か曲によってはやや狭く感じますが、適度なレイヤー感があり、分離も良いため窮屈に感じることはないでしょう。

ミッドベースは直線的で締まりがあり、アタックも力強い印象。重低音も深く重量感を感じさせる豊かな響きとともに明瞭さもあります。
ボーカル曲と相性の良いヘッドホンですが、中音域が前傾しつつ癖の無い音色のため、幅広く楽しめるサウンドだと思います。
■ まとめ

クールな外観で手を出しても十分に楽しめるヘッドホンなので、音漏れはちょっと気をつける必要があるものの、普段使いに良さそうと私もちょっと思っていたりします。1万円程度と価格も手頃ですので興味のある方は購入してみるのも良いと思います。