
こんにちは。今回は 「BLON BL-03 II」です。個性的なデザインと特徴的な低域を持つV字傾向のサウンドで高い評価を得た「BL-03」が5年の時を経て、新バージョンがリリースされました。新たなドライバーと技術投入により全体的な質感が向上し、特徴を維持しつつより自然なサウンドに進化しています。
■ 製品概要と購入方法について
「WGZBLON(BLON)」は、比較的低価格帯の製品を中心に展開している中華イヤホンブランドで金属ハウジングの個性的なイヤホンが特徴ですね。パワフルな低域に特徴のある評価の高いモデルから強烈な外観がマニアの間でも大きな話題となったモデルまで、豊富なバリエーションを揃えつつ、ベースとなる技術力は高く低価格でも手堅い製品を常にリリースしている印象です。
今回の「(WGZBLON) BLON BL-03 II」は同社の実質的なデビュー作として5年前にリリースされた「BL-03」の新バージョンで、アップグレードされた10mmデュアルチャンバーダイナミックドライバーを搭載し、5年間の研究開発による技術進化を経て数々の改良を加えています。


「BLON BL-03 II」のハウジングは亜鉛合金から精密に成形されており、シームレスで頑丈、スタイリッシュな構造になっています。滑らかな丸みを帯びたエッジと鏡面研磨(シルバーモデル)、サンドブラスト(ブラック)の表面処理により、指紋、傷、滑りを防ぎ、エレガントさを長く保ちます。
ドライバーは強化カーボン振動板を備えた第2世代の10mmデュアルチャンバーダイナミックドライバーにアップグレードされ、より豊かなディテールと洗練されたオーディオパフォーマンスを実現します。


「BLON BL-03 II」では亜鉛合金キャビティとアップグレードされたドライバー、特許取得済みの技術により、高音、中音、低音の絶妙なバランスを実現しました。非常にクリアな高音、温かみのある中音、深く響き渡る低音によりリアルで感動的なリスニング体験が得られます。


「BLON BL-03 II」は「シルバー」と「ブラック」の2種類のカラー、3.5mm(マイク有り/無し)、4.4mm、Type-Cの4種類のプラグバリエーションから選択が可能です。
価格は各モデルごとに31.99ドル~33.99ドル、アマゾンでは5,480円~5,880円です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は「ブラック」の「3.5mmマイク付き」モデルで届きました。パッケージはシンプルなラインアートデザインのボックスです。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(3種類、S/M/Lサイズ)、布製ポーチ、説明書。


「BLON BL-03 II」の本体は特徴的な涙滴型の流線形デザインを「BL-03」から踏襲しています。本体は同社製のイヤホンでは伝統的な亜鉛合金製で非常にコンパクト。「ブラック」モデルは「BL-03」より耐久性のある表面処理が行われており質感が大きく向上しています。


コネクタは「BL-03」の独自カバー形状の2pinからフラットな0.78mm 2pin仕様となり、リケーブルの選択肢はよりしやすくなりました。


ケーブルは高純度無酸素銅銀メッキ線ケーブルにアップグレードされています。イヤーピースは一般的な形状のタイプがグレーとホワイト(柔らかさが異なる)の2種類、さらに台形の最も柔らかい白色タイプが各サイズ付属します。イヤホン本体は耳に収まりやすいサイズ感ですが、独特のシェル形状と結構耳掛け加工の強いケーブルのため装着感は浅くなりがちでかなり癖があります。耳穴をしっかり塞げるように少し大きめのイヤーピースを選択してホールドさせる必要があります。
■ サウンドインプレッション

「BL-03」ではCNTらしいキレのある中高域に対して厚みがあるパワフルな重低音を中心とした低域がかなり特徴的な印象でしたが、「BLON BL-03 II」では低域の強さを維持しつつもよりタイトでクリーンな印象となり、全体としても自然でスッキリした見通しの良さを持っています。ボーカル域も女性ボーカルの高音および男性ボーカルの低音がより映える印象で、少し前傾しています。また刺さり等の刺激はコントロールさせつつ高域の明瞭感はより向上した印象です。

私の場合は「Softears U.C.」のような長さがあり密着性の得られるタイプのイヤーピースに交換することで本来のサウンドを実感することができました。合わない場合はイヤーピースの交換やリケーブルなどの対策が必要です。
なお仕様としてはインピーダンス32Ω、感度116dB/mWと使いやすい範囲で、スマートフォンやPC、ゲーム機などへの直挿しでも十分に稼働します。

中音域はV字傾向のため低域寄り少し凹みますが、中高域、中低域にアクセントがあるため、女性ボーカルの高音および男性ボーカルの低音は少し強調され、ボーカル域も前傾した印象になります。またスッキリとした明瞭感と見通しの良さを持っているため、演奏と自然に分離し、前後にレイヤー感を生みます。

低域はドンシャリらしい十分な量感を持ちつつも過度な強調感を感じさせない、締まりのある自然な音に進化しています。「BL-03」のような厚みのある重低音を持った強さとは異なりますが、質感の上では確実に向上していると言えるでしょう。

■ まとめ

ただその独自の外観ゆえの合う/合わないがハッキリと分かれる装着性などウィークポイントとされていた点もそのまま踏襲されており、またサウンドチューニングを徹底したことで、いよいよドライバーのコスト面での限界も感じられる印象となってきました。そういった面も「個性」と捉えることができれば引き続き非常に魅力的なイヤホンのひとつとなるのでは、と思います。