
こんにちは。今回は 「NICEHCK EBX25Ti」 です。おなじみHCKのイントラコンカ型の新たななフラグシップモデルです。国内でも2月7日より発売を開始しました。チタン合金製のキャビティにベリリウムメッキ振動板の14.2mmドライバーを搭載し、イントラコンカ型としては圧倒的な明瞭感と透明感を持ち、同時にカナル型では実現できない豊かな音場感が魅力のイヤホンです。
■ 製品概要と購入方法について
中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」は私のブログでもお馴染みの老舗中華イヤホンセラーで、多くのマニアに絶大な支持を受けていることでも知られています。そのオリジナルブランドの「NICEHCK」もまた多くのマニアに寄り添った「他とはちょっと違う製品」が特徴。そして同社のハイグレードモデル「NICEHCK HIMALAYA」リリース以降は高音質なイヤホンブランドとして評価および知名度も一気に向上。最近では日本での代理店もできて主要なモデルが店頭試聴や購入が可能なモデルも増えてきており今後の発展も大いに期待できます。
今回の「NICEHCK EBX25Ti」はカナル型フラグシップの「HIMALAYA」に続く、イントラコンカ(インナーイヤー)型の「EBシリーズ」の新たなフラグシップモデルです。「HIMALAYA」同様にチタン合金製のキャビティを採用し、高性能ドライバーにより卓越した音響設計を実現しています。


「NICEHCK EBX25Ti」の本体は航空レベルのチタン合金キャビティを採用。卓越した耐食性と高硬度の特性を持ち、高級感のある質感をもつ外観に加え、高調波の発生を効果的に抑制し、キャビティ内の不要な共振を減らします。
ドライバーには、14.2mmドーム型ベリリウムメッキ振動板ダイナミックドライバーを搭載。自然な音場で分離感が高く、バランスの取れた音質を実現。低域は深みがあり凝縮され、中域は繊細でバランスの取れており、高域は刺さりが少なく透明感の高い音質を提供します。


チタン合金製のキャビティには複数のベント(空気孔)を持つ多孔出音技術を採用し、低域の密度と質感を高めつつ、開放型構造により残響効果が高められ、全体の音質の余韻をより高めています。
本体はMMCXコネクタを採用しリケーブルが可能です。ケーブルには6N OCCと銀メッキ銅のミックス線を採用し、優れた音の分離感と音場を提供。プラグは購入時に3.5mmと4.4mmから選択することが可能です。


「NICEHCK EBX25Ti」の価格は387.06ドル、日本国内では49,890円です。
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免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HCK Earphones より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで、イントラコンカ型としては相当高級な300ドルオーバー、4万円台の製品と言うこともあり、パッケージもかなり豪華仕様となっています。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、ケーブルタイ(マグネット式)、クリーニングブラシ、MMCXリムーバー、イヤーリング(シリコン製)、スポンジイヤーパッド(ドーナツ型、円盤形)、レザーケース、説明書など。


チタン合金製の本体はソリッドな形状で非常に重厚感のある仕上がり。しっかりした強度があり、質の高さを実感出来る印象です。MMCXコネクタは左右で赤/青でペイントされており、分かりやすくなっています。細かい部分まで配慮されたコストをかけた外観です。


14.2mmの大口径ドライバーを搭載していますが、円形の本体部分の大きさは一般的なイントラコンカ型の範疇で、装着性においても違和感無く使用できます。またつや消しの表面処理と微妙な形状の違いにより滑りにくく、イヤーパッド無しでも耳から落ちること無くしっかりホールドされます。


ケーブルは布張りの撚り線タイプで、装着は耳から垂らすストレート方式でも耳掛け方式でも対応出来る長さがあります。ケーブルスライダーはしなやかで使いやすく、またタッチノイズもほとんど無く取り回しも非常に良い印象です。またMMCXコネクタもカチッとしっかり取り付けできる良質な部品が使用されているようです。


付属品にはMMCXリムーバー、クリーニングブラシ、マグネット式のケーブルタイなどが付属。円形のレザーケースも大きめで付属品をすべて収納できます。また2種類のスポンジ製イヤーパッドのほかシリコン製のイヤーリングも付属します。
■ サウンドインプレッション
「NICEHCK EBX25Ti」の音質傾向はニュートラルで非常にバランスの良いU字傾向で仕上げられています。よりイントラコンカからしい低域の厚みを得たい場合はシリコン製のイヤーリングは有効ですが、多くの場合、イヤーリングやイヤーパッド無しの状態での利用がより良い印象となるでしょう。
非常に締まりのある明瞭な音で、解像度も極めて高い印象ですが、同時に非常に豊かさがあり、低域は厚くキレの良いカナル型のような直線的な印象があり、高域は明瞭で非常に伸びやかです。ニュートラルかつ明瞭な音作りは自体は「EBX21」(HCKのこれまでのイントラコンカ型フラグシップ機)の特徴をある程度踏襲しているものの、強化されたハウジングとドライバーは全体的に大きく進化させています。特に低域および高域の質感をイントラコンカ型としては別次元の領域に高めている印象がありますね。この違いを考慮すれば5万円近い価格設定は十分に納得できるものだと感じるでしょう。
「NICEHCK EBX25Ti」の仕様はインピーダンス32Ω、感度117dB/mWと、イントラコンカ型としてはかなり駆動しやすいと言えます。ただベリリウムメッキ振動板の大口径ドライバーという特性からも、やはり価格に見合う十分な駆動力とノイズ特性のある再生環境での利用が望ましいでしょう。再生環境の違いは立体感や臨場感などの音場の印象にそれなりに影響します。
「NICEHCK EBX25Ti」の高域は自然な印象ながら明瞭かつ伸びやかな印象で非常に解像度の高い音を鳴らします。とはいえ過度に明るすぎず自然に感じる適度な範囲でまとめられており、刺激などもコントロールされています。いっぽうでイントラコンカ型としては主張があり前傾した印象で、高高域の見通しも非常に良い印象。開放型らしい抜け感もあり窮屈さはありません。
中音域は凹むことなく鳴り、豊かさを感じさせつつもニュートラルな印象でまとめられています。カナル型で言うとU字または緩やかなW字に近い傾向ですが、開放型ヘッドホンのようなイントラコンカ型特有の空間表現でカナル型とは異なる楽しさと聴き心地のよさがあります。ボーカル域は前傾しており、男性ボーカルも女性ボーカルも明瞭ではっきりした印象で再生されます。女性ボーカルの高音など中音域には適度なアクセントがあり明瞭感を感じます。男性ボーカルは豊かさがあり、ボーカル域全体としては自然な温かみもあります。高域同様に解像感は非常に高く、ベリリウムらしい粒立ちの良さから演奏との分離も良好です。演奏は音像がはっきりしており、響きより締まりを重視した印象。どの楽器も自然な範囲でエネルギーがあり、ニュートラルながら淡泊さはありません。この辺も「HIMALAYA」あたりとも共通するHCKのフラグシップらしい音作りですね。音場はイントラコンカ特有のレイヤー感はあるものの、広さや深さは原音に忠実で定位も自然です。開放型の構造のため窮屈さを感じることはないでしょう。
低域はニュートラルなバランスを維持し、カナル型のようなタイトで締まりのある音を鳴らしつつ、同時に非常に豊かさと強さがあります。低域の質感は高域の明瞭感と併せて「EBX21」より確実に進化した音域と感じます。ミッドベースは残響感は抑えられ締まりのある直線的な印象ですが、タイトになりすぎず自然な描写で表現されます。そのためアコースティックな音源でも適度な弾力と温かみがあり、寒色になりすぎない印象でまとめられています。また重低音はイントラコンカ型として深く解像度も高い印象で、質の高さを感じます。ここでイヤーパッドを使用すると低域の解像感は相応に落ちますが、滑らかさが増し、ある意味より一般的な「イントラコンカぽい音」に近づきます。
■ まとめ
というわけで、HCKのイントラコンカ型の新たなフラグシップとして登場した「NICEHCK EBX25Ti」ですが、相変わらず同社のイントラコンカ型にかける「本気度」というかこだわりの強さを感じさせる完成度の高さでした。2021年にリリースされた「EBX21」も当時の印象としてはイントラコンカでここまでやるのか、という熱量を感じましたが、今回の「NICEHCK EBX25Ti」ではさらに数段レベルアップし、まさに「HIMALAYA」をリリースした際と同様な思いの強さを感じさせました。外観含め製品クオリティの圧倒的な高さはもちろん、音質面でも低域及び高域の質感がイントラコンカとしては別次元にレベルアップしていますし、全体としても非常に聴き応えのあるサウンドに仕上がっています。相応の価格という意味でそれなりにユーザーは選ぶとは思いますが、興味のある方はぜひ手に取って頂きたいアイテムのひとつだと感じました。








