
こんにちは。今回は 「TINHIFI T7」です。TINHIFIの「Tシリーズ」の最新モデルですね。日本でも11月下旬に発売されていますが、私の所にも年末くらいにサンプルが届いておりました(汗)。諸々あって遅くなりましたがこのタイミングで紹介となります。
■ 製品概要と購入方法について
中華イヤホンの製造メーカーおよびブランドとしてマニアの間でも広く認知されている「TINHIFI」ですが、定番モデルとなった「T2」ラインなどの「Tシリーズ」や、購入しやすい価格帯の「Cシリーズ」、平面駆動ドライバーを採用した「Pシリーズ」など現在は複数のラインで豊富なラインナップを展開していますね。
→ 過去記事(一覧): TINHIFI(TIN Audio)製イヤホンのレビュー
「TINHIFI T7」は同社のメインラインである「Tシリーズ」の最新フラグシップモデル。純金コーテイング振動板を採用した二重磁気回路ダイナミックドライバーを搭載し、フェイスには黒檀の木製プレートを採用するなど外観にも音質にもこだわったモデルです。あれ、そういえば「T6」ってありましたっけ(^^;)。
「TINHIFI T7」は同社のメインラインである「Tシリーズ」の最新フラグシップモデル。純金コーテイング振動板を採用した二重磁気回路ダイナミックドライバーを搭載し、フェイスには黒檀の木製プレートを採用するなど外観にも音質にもこだわったモデルです。あれ、そういえば「T6」ってありましたっけ(^^;)。


「TINHIFI T7」はフェイスプレートに高級木材の「黒檀」を使用し、シェルは航空グレードのアルミニウム合金をCNC加工し陽極酸化処理によりプレミアムで滑らかに仕上げています。黒檀は精密加工のうえ研磨、UVコートを施し、美しさがあります。
ドライバーには純金コーティングを施した振動板を採用。振動板の軽量構造により、応答速度が大幅に向上し、正確な表現と精緻なサウンド再生を実現しています。最先端の真空蒸着技術を使用した高度なプロセスにより精密加工された超薄型のフィルム層を生成することで、素材に並外れた剛性を与えると同時に、音響減衰特性を正確に制御します。超高精度の純金コートフィルムによる振動板により、オーディオ品質を大幅に向上させ、並外れたディテールと透明性を実現します。


さらに強力なテスラ級のデュアル磁気回路と特許取得済みの磁気伝導プレートを採用。従来のダイナミックドライバーと比較して、磁場の強度が 60% 向上するとともに、精密な磁場制御技術によりサウンドステージの表現力が豊かになり、自然な音色の拡張と明確なレイヤーが確保されます。


ケーブルは、0.06/54C 単結晶銅と無酸素銅のミックス線のマルチストランド編組構造を採用。プラグは3.5mm および 4.4mm に交換が可能です。
「TINHIFI T7」の価格は199ドル前後、アマゾンでは29,900円前後です。
AliExpress(DD-Audio Store): TINHIFI T7
HiFiGo(hifigo.com): TINHIFI T7
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): TINHIFI T7
Amazon.co.jp(国内正規品): TINHIFI T7
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして TINHIFI より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「TINHIFI T7」のパッケージは製品ロゴを載せたシンプルなデザイン。従来のシリーズのなかで最も大きいボックスサイズです。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、イヤーピース(シリコンタイプ2種類、それぞれS/M/Lサイズ、ウレタンタイプ2ペア)、レザーケース、ケース用レザーストラップ、説明書、保証書など。


本体はアルミニウム合金の金属製で、フェイスパネルは光沢仕上げの木製。フェイスプレートのウッドパネルには高級木材の黒檀が使用されています。黒檀は木材のなかでも非常に硬く強度のある材質として知られますが、同時に独特の美しさがありますね。


シェルサイズは非常にコンパクトで耳に収まりやすいサイズ感、および形状ですね。ステムノズルは若干太めですが、耳奥までしっかり挿入できるイヤーピースを選択するのが良いでしょう。標準でシリコンタイプとウレタンタイプのイヤーピースが付属しますが、よりフィット感のあるイヤーピースを選択するのも良いでしょう。


ケーブルは、2種類の高純度銅線をミックスした線材を使用した4芯タイプでライトゴールドのカラーリングが高級感がありますね。コネクタはMMCXを採用しています。コンパクトなシェル形状で耳の形状や位置によって本体部分の装着角度が微妙に変わるため、ShureのSEシリーズやAONICシリーズ同様に接続した上でコネクタをある程度回して調整出来るMMCXコネクタは装着感を向上させる上でメリットがあったりしますね。
■ サウンドインプレッション

質実剛健な印象も感じる(言い方を変えればちょっと地味な)外観と同様にサウンドも要所を押さえつつも非常に落ち着いた印象で、いわゆる鮮やかさや臨場感など分かりやすいエモーショナルな要素はそれほどありません。そのため多少つまらない音と感じる方もいらっしゃるかも知れませんね。ただこういった「無味無臭」にも感じる音作りは「いかにもTINHIFI」といった印象で、じっくり聴いてみると、優れた解像感と分離を持ちつつ非常に滑らかで、適切なレイヤー感があり、深い質感があります。既存のモデルで言うとリスニング的なメリハリを増した「T5s」よりニュートラル方向の「T5」のアプローチに近い音作りで、さらに質感は価格相応に向上しているのを実感出来ます。

中音域はほぼ凹むこと無く自然な主張がありますが、原音に忠実でニュートラルな印象のため、最近のリスニング寄りに前傾した傾向と比較するとより「無味無臭」な印象を感じやすいかもしれません。しかしボーカル域は滑らかでかつ高い解像感をもって描写され、演奏とも綺麗に分離します。

そのためボーカル域は自然な距離感でしっかり存在感を持っており、女性ボーカルは伸びやかに抜け、男性ボーカルはエネルギッシュで豊かな厚みを感じさせます。
音場は自然な広さと高さ、そして奥行きがありますが、広さや深さを強調する印象は無いため、窮屈ではないものの臨場感などを強調することはありません。定位は非常に正確なため、オーケストラ演奏などの分析的なリスニングにも耐えうる表現力があります。またゲーミングでも結構有利かもしれませんね。

■ まとめ

分析的なリスニングにも耐えうる質感や解像感をもちつつ、音作りとしてはモニターというより自然な印象でリラックスして楽しめるリスニング方向に調整されている点も特徴的で、長時間聴いてもじっくり楽しめるイヤホンという側面があるのもとても興味深いですね。