
こんにちは。今回は 「TRN JAWS」です。4BA+3DD+1Planar構成の8ドライバーハイブリッド構成のモデルです。サイズの異なる3基のダイナミックドライバーと2種類のBA、高域用平面ドライバーによる6Wayクロスオーバーによる非常に複雑な制御を行っていますが、まとまりのある滑らかさと広い空間表現を持っいるイヤホンに仕上がっています。
■ 製品概要と購入方法について
頂点捕食者であるホオジロザメにインスピレーションを得た「TRN JAWS」は、3基のダイナミックドライバー、4基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー、1基の平面駆動ドライバーによる4BA+3DD+1Planar、片側8ドライバー構成のフラグシップ級トライブリッドモデルです。細心の注意を払ってチューニングされたこの複雑な構成により、各ユニットが指定された周波数範囲で最適に機能し、シームレスな相乗効果によるバランスのとれた包括的なサウンド シグネチャを実現。解像度を高め、歪みを最小限に抑えることで、比類のない品質のオーディオ体験を提供します。


「TRN JAWS」は3基のダイナミックドライバー、4基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバー、1基の平面駆動ドライバーによるフラッグシップ レベルのトライブリッドドライバー構成を特徴としています。
ダイナミックドライバー部には10.5mm(ベリリウムメッキ振動板)、8mm(PET振動板)、6mm(チタンメッキ振動板)の 3種類の異なるサイズのドライバーを搭載。各ドライバーが調和することで、シームレスな周波数応答を確保し、より包括的で臨場感あふれるサウンドステージを提供します。


BA部には2基の「30095」ツィーターと2基の「50060」ユニットを搭載。高周波用の「30095」と中高周波用の「50060」により、ダイナミックドライバーを補完。より強力なサウンド出力を実現し、精巧なディテール表現と豊かで詳細なオーディオ体験を保証します。
さらに高域用に6mmサイズのナノメートルレベルの平面振動板を使用した平面ドライバーを搭載。強力な高周波拡張と、より自然でリアルなリスニング体験を実現します。
「TRN JAWS」は6種類のドライバーを最適に処理するための6Wayクロスオーバー技術を採用。それぞれ独立した電子クロスオーバー コントローラーを使用して各ブロックの周波数応答を正確に計算し、各周波数帯域の高解像度制御を提供します。


「TRN JAWS」のケーブルには0.78mm 2pin仕様の高純度無酸素銅銀メッキ線ケーブルが付属。いゲージのマルチストランド設計により、忠実度の高い信号伝送が保証され、音の分離と明瞭度が大幅に向上します。
「TRN JAWS」の価格は129.99ドル、アマゾンでは掲載時18,950円です。
AliExpress(TRN Offical Store): TRN JAWS
Amazon.co.jp(TRN直営店): TRN JAWS ※掲載時10% OFFクーポン配布中
免責事項:
本レビューは個人的に製品を購入し掲載している「購入者レビュー」となります。
本レビューに対してそれ以外の金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「TRN JAWS」のパッケージはホオジロザメを描いた海洋のイメージ。光の反射でラメ色に光るパッケージが高級感があります。


パッケージ内容は本体、ケーブル、USB Type-C変換アダプター、イヤーピース(シリコン製3種類、それぞれS/M/Lサイズ、ウレタン製S/M/Lサイズ)、樹脂製ケース、ケース用ストラップ、説明書など。


本体は透明なプラスチック製のハウジングと金属製フェイスプレートの組み合わせで、透明なシェルのなかには各ドライバーがびっしりと埋まっているのが確認出来ます。2基の「30095」BAはステムノズルに装着されており、ステムノズルと直線配置で直下に10.5mmおよび8mmダイナミックドライバーと6mm平面ドライバーを格納した大きめのメタルシャーシが配置されています。さらにこのシャーシの側面に単独でシャーシに格納されている6mmドライバーユニットと、2基の「50060」BAが配置される構造となっています。


サメ柄のスリットが入ったフェイスプレートはメッシュ状の金属プレートで裏打ちされた構造で、ベントの有無についての記載はないものの僅かに音漏れがあることから完全密閉では無く空気圧を調整するようになっている模様です。


イヤーピースはシリコン製3種類、ウレタン製1種類の4種類のイヤーピースが各サイズ付属します。うち1種類は「T-Eartip」です。ケーブルは従来のタイプC(KZおよびqdcとカバー形状が互換)ではなく、一般的な0.78mm 2pinでリケーブルしやすい仕様となっています。付属ケーブルは少し硬めの被膜で覆われた太さのある2芯タイプ。プラグは3.5mm固定ですが、USB Type-Cの変換アダプターが付属します。


4.4mmバランス接続を選べなくなったのは少し残念ですが、高級感があるケーブルです。8基のドライバーを搭載しつつもシェルサイズはコンパクトにまとめられており、耳への装着性も良好です。
■ サウンドインプレッション

明瞭で伸びの良い高域と滑らかで広がりのある中音域、スピード感と深さを持ちつつ抜けの良さを感じる低域が、片側8ドライバー構成による非常に高い解像感と分離により堪能できます。
「TRN JAWS」はインピーダンス27Ω、感度117dBと一般的なイヤホンの仕様の範囲内でまとめられており、多ドラ構成ながら小型のオーディオアダプターなどでも比較的駆動しやすい印象。いっぽうで情報量による変化も十分に実感出来るため、再生環境やリケーブルによる効果も得られます。情報量の多い銀メッキ線のバランス接続などでしっかり鳴らすとV字方向の印象がより強くなるのもTRNらしい感じがしますね。
「TRN JAWS」の高域は明るく伸びの良い音を鳴らします。高域用BAによる硬質な明瞭感ととともに直線的な見通しの良さがあり、歪みを抑えた平面ドライバーがうまく補完している印象です。鋭い音は鋭く鳴らす印象をもちつつ滑らかで自然な印象も共存しており、中華ハイブリッド的な金属質のギラつきのようなものはほぼ皆無で、刺激を抑えて聴きやすくまとめつつ解像感の高さと心地よい煌めきがあります。

ボーカル域は前傾し、女性ボーカルの高音などの中高域にアクセントがあり伸びの良さがあり、男性ボーカルは豊かさを持ちつつ軽快な印象があります。音場は広がりがあり、抜けの良さと適度な奥行きがあります。トライブリッドらしい分離感と解像度の高さにより音数の多い曲も心地よく表現されます。

■ まとめ

また120ドル程度の価格設定ながら、個性的なデザインながらシンプルで装着性にも優れ、質の高いケーブルが付属するなどパッケージングとしても充実している点も魅力的です。4.4mmプラグが選択できなくなった点は少し寂しいですが、通常の中華2pinまたはCIEM 2pinのケーブルが利用できるため、リケーブルの選択肢も広く、変化を試して見るのも楽しいと思います。全体的に癖の無い使いやすいイヤホンという印象ですね。