CCZ DC03 Sonata

こんにちは。今回は 「CCZ DC03 Sonata」です。低価格イヤホンを中心に展開し、パワフルな低域が特徴として知られる「CCZ」の新たなシングルダイナミック構成のモデルです。ハイブリッド構成の「BC04 PRO」の1DD版といった位置づけで、「MC01」同様の新しいドライバーを搭載し、同社らしいパワフルな低域と使いやすいリスニングサウンドを両立しています。

■ 製品概要と購入方法について

「CCZ」は2021年に登場したEasy Earphones系のブランドで、個性的な低域が特徴の低価格1DDモデル「DC-1」が好評を得て以降、特許技術に基づく装着性の高さや低域にフォーカスしたサウンドチューニングの評価が高く、現在も50ドル以下の特徴的な低価格イヤホンを多くリリースしています。現在CCZでは1DD構成の「DC」シリーズとハイブリッドの「BC」シリーズ、そしてMusicラインとして新たにラインナップされた「MC」シリーズなど、低価格モデルを数多くリリースしています。 

今回の 「CCZ DC03 Sonata」は同社の最初のモデルである「CoffeeBean」から続く、伝統的な低価格の1DD仕様のイヤホンで「DC」シリーズのエッセンス踏襲し新たに搭載したドライバーを搭載しています。ポジションとしては「BC04 PRO」(1BA+1DD)の1DDモデルという位置づけで、世代的には先日レビューした「MC01」の兄弟モデルという感じです。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata

ドライバーは10mmのPET振動板デュアル磁気回路ダイナミックドライバーを搭載。強力なネオジム磁石を二重で搭載し、ムービングコイルの採用でPET振動板の実力を最大限に引き出しています。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata

シェルは亜鉛合金製のフェイスプレートと樹脂製のハウジングで構成され、酸化処理されたフェイスデザインはつや消しの上質な質感で仕上げられています。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata
カラーバリエーションは「ブラック」「シルバー」「チタン」の3色。
CCZ DC03 Sonata」の価格は16.89ドル、アマゾンでは2,640円で販売されています。

Amazon.co.jp(KINBOOFI): CCZ DC03 Sonata ※掲載時20% OFFクーポン配布中


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして KINBOOFI より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

CCZ DC03 Sonata」のパッケージは従来の低価格モデルを踏襲しつつ、「DC02」同様のコンパクトなボックスでまとまっています。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata

パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(S/M/Lサイズ)、説明書。イヤーピースはCCZ独自デザインのタイプが付属しています。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata
CCZ DC03 Sonata」の本体は「BC04 PRO」のシェル形状を踏襲しつつ、フェイスパネルは「MC01」と同様の厚みのある亜鉛合金製で、意匠の異なるデザインでデザインされています。シンプルながら質感の良い印象です。またハウジングは「DC」シリーズのCCZ製イヤホンのシェルデザインを踏襲しており、装着側には特許設計のソフトイヤーウィングが装着されます。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata
シェル形状は以前のKZやTFZのようなやや大きめのデザインですが、このイヤーウィングが耳にしっかりとフィットすることで優れた装着感を実現しています。また今回も特許設計の独自イヤーピースが付属します。この独自のイヤーピースは先端の溝構造により優れた装着性と音質的な効果が得られるとのこと。このデザインもさることながら質感も一般的に20ドル以下の中華イヤホンの多くに付属するイヤーピースと比べると格段に良いものでしょう。
CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata
付属ケーブルは従来機種と同じ銅線タイプでコネクタはTFZと互換性のあるカバー形状の2pin仕様を採用しています。リケーブルではTFZタイプのコネクタのほか、通常の中華2pinおよびCIEM 2pinのケーブルが利用できますが、KZなどのqdcタイプのものは利用できないので注意ください。


■ サウンドインプレッション

CCZ DC03 SonataCCZ DC03 Sonata」の音質傾向は中低域寄りのU字寄りのカーブを描く弱ドンシャリ。同じ「DC」シリーズの「DC02」が「CoffeeBean(DC-01)」を踏襲した低域ブースト型のサウンドだったのに対し、「CCZ DC03 Sonata」では全体として若干の中低域寄りながらボーカル域などの中音域にフォーカスした、ニュートラル方向にバランスの良いサウンドに調整されています。ボーカル域に適度な温かみをもちつつ、高域の明瞭さやミッドベースを中心とした低域のスピード感なども増しており、ボーカル曲を中心に幅広いジャンルを楽しく聴かせるタイプのイヤホンに仕上がっています。
なお、先日レビューした「MC01」とはおそらく同様のダイナミックドライバーを使用しており、スペックもかなり近いこともあり両者のサウンドは結構似ています。「MC01」との相違点はフェイスプレートのデザインの違い以外には、付属ケーブルが「MC01」が銀メッキ線、「CCZ DC03 Sonata」が4N OFC(無酸素銅)線である点と、イヤーウイング部分が「MC01」が本体と一体形成のプラスチック製なのに対し、「CCZ DC03 Sonata」は「DC02」などを踏襲した柔らかい樹脂製な点など。
聴いた印象としては「CCZ DC03 Sonata」のほうが若干ですがV字方向の印象がありますね。リケーブルとかで追い込んでいくと双方の相違点はより酷似した印象になりそうです。

CCZ DC03 Sonata」の高域は、刺激を抑えつつ明瞭な伸びの良さも感じさせる印象で鳴ります。若干の温かみもありCCZらしさも感じる使いやすい高域です。ある程度駆動力のある再生環境では結構スッキリとした印象で明瞭に鳴ります。同様にリケーブルなどでも一定の変化を得られます。付属ケーブルでは刺激は皆無で非常に聴きやすくまとめられていますので、長時間のリスニングにも最適です。

CCZ DC03 Sonata中音域はV字方向の印象により曲によっては若干凹みますが、ボーカル域は多少前傾しU字方向のリスニング傾向で調整されています。「DC02」などの従来の低域強化型のモデルよりボーカル域などの中音域にフォーカスした音作りの印象です。ボーカル域は若干前傾し、同様にピアノ、ギターなども主張があり鮮やかさを感じる印象。女性ボーカルの高音などの中高域は刺激を抑えつつ適度に明瞭で、男性ボーカルなどの中低域は豊かさと適度な響きがあります。音場は自然な広さとともにV字傾向的なレイヤー感があります。解像感は一般的ですが輪郭も自然な印象で、リスニングイヤホンとしての楽しさがあります。

CCZ DC03 Sonata低域は十分な主張がありミッドベースを中心に心地よく鳴ります。低域強化型の「DC02」や「CoffeeBean(DC01)」がより強い重低音を特徴としていたのに対し、「CCZ DC03 Sonata」はミッドベースの主張がより鮮明で、重低音は比較すると少し控えめに感じるかもしれません。それでもボーカル域を中心に考えれば心地よい深さがあり、低域としての存在感は感じさせます。ミッドベースは適度に締まりが良く、心地よいインパクトがあり、スピード感なども以前のモデルより感じさせます。


■ まとめ

CCZ DC03 Sonataというわけで「CCZ DC03 Sonata」は、「DC01」「DC02」の低域偏重のバランスから、心地よい低域のインパクトを持ちつつボーカル域を中心としたバランスの良いリスニングサウンドに変化し、より幅広いユーザー向けに最適なイヤホンになりました。2千円台の低価格設定や、スマートフォン直挿しでも駆動しやすい仕様等で、マイクつきモデルでも快適に利用できると思います。またドンシャリ傾向ながらU字寄りのニュートラル方向のバランスで、定位感も良いため、ゲーミング用途でも実用性の高い印象です。音楽、動画、ゲームとライトユーザーも含めた多くの方が使いやすいイヤホンだと思います。