EDIFIER NeoBuds Planar

こんにちは。今回は 「EDIFIER NeoBuds Planar」です。「EDIFIER」ブランドの上位モデルである「NeoBuds」シリーズで平面磁界ドライバーを搭載した高音質モデルがリリースされます。平面ドライバーらしい歪みを抑えた透明感の高さと立体的な音場感を実感出来る最新性能により優れた音質を実現。機能面でも非常に強力なモデルです。
2025年4月2日より「GREEN」クラウドファンディングにより公開され先行募集を開始しています。


■ 製品概要と購入方法について

EDIFIER NeoBuds Planar「EDIFIER」は中国発の大手オーディオブランドで、かつてはブックシェルフタイプのスピーカー製品で、最近はワイヤレスオーディオ分野での様々な製品で幅広い実績と人気を集めるグローバルなメーカーとして有名です。日本市場においても高性能・高音質なTWS(完全ワイヤレス)イヤホンやスピーカー製品をリリースしています。
今回の「EDIFIER NeoBuds Planar」は「EDIFIER」ブランドとしては初の平面磁界ドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤホンで、同社の上位ブランド「STAX SPIRIT」の平面磁界ドライバー搭載イヤホン「STAX SPIRIT S10」を踏まえて、満を持して「EDIFIER」ブランドにおけるフラグシップの「NeoBuds」に最新のテクノロジーを投入したモデルです。

EDIFIER NeoBuds Planar」ではワイヤレスイヤホンながら独自の平面磁界ドライバーと第2世代の「EqualMass」振動板技術を採用。2μmのポリマー基板と厚さ10μmの超薄型振動板で、軽量かつ瞬時応答性に優れた音質を実現。詳細な音再生が可能です。高性能な平面磁界ドライバーの性能を実現しつつ小型化により快適な装着性と卓越した音質を両立し、ディテールを余すことなく再現します。
EDIFIER NeoBuds PlanarEDIFIER NeoBuds Planar
また「EDIFIER NeoBuds Planar」では「Qualcomm Snapdragon Sound」テクノロジーを採用。「aptX Adaptive」および「aptX Lossless」コーデックに対応。さらにアプリによる設定変更で「LDAC」「LDHC 5.0」ハイレゾコーデックの利用も可能です。
さらにQualcomm の第3世代のANC(アクティブノイズキャンセリング)技術を採用。Bluetooth 5.4に対応し、安定した接続と低消費電力、通話品質の向上、環境ノイズ抑制を実現します。また音声通話も片側3基の高感度マイクと「aptX Voice」で騒がしい環境でもクリアなハンズフリー通話を実現します。
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またANC使用時で本体5時間+充電ケース15時間、ANC OFFで7.5時間+充電ケース22.5時間の長時間再生と15分の充電で2時間の利用が可能な急速充電にも対応します。

EDIFIER NeoBuds PlanarEDIFIER NeoBuds Planar
その他充電ケースは「ワイヤレス充電」対応に対応しており、本体は「装着検出機能」「マルチポイント接続」「ゲームモード」「Google Fast Pair」などに対応します。また本体の詳細な設定は専用アプリ「EDIFIER ConneX」により行うことができます。

BluetoothV5.4
ドライバー第2世代 EqualMass
平面磁界型ドライバー
SoCQualcomm
Snapdragon Sound対応
コーデックLDAC / LHDC 5.0 /
aptX Lossless / Adaptive /
aptX / AAC / SBC
ANC第3世代 Qualcomm
ハイブリッドANC
再生時間ANC OFF: 30時間
ANC ON: 20時間
急速充電15分で2時間再生
ケースワイヤレス充電対応
LEDカラー変更(8色)
防水規格IPX55
その他装着検知機能
Google Fast Pair対応
マルチポイント接続対応
0.08sec ゲームモード
アプリEDIFIER ConneX 対応
EDIFIER NeoBuds Planar」は2025年4月2日よりクラウドファンディングサイト「GREEN」にて先行募集を開始しています。
募集価格は限定早割の「20% OFF」で23,984円、「15% OFF」で25,483円です。
EDIFIER JAPAN公式サイト: EDIFIER NeoBuds Planar


Greenfunding: EDIFIER NeoBuds Planar


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして EDIFIER JAPAN様 より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

EDIFIER NeoBuds Planar」のパッケージはこれまでの「NeoBuds」シリーズ同様に段ボールの外箱と中に入った化粧箱の構成で、白箱に製品画像を載せたシンプルなものです(サンプルは海外から発送いただいたため内蔵バッテリーについての注意シールが貼られています)。
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パッケージ内容は本体及び充電ケース、充電ケーブル、イヤーピース(装着済みMサイズ+XS/S/M/L/XLサイズ)、収納ポーチ、説明書、保証書など。
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EDIFIER NeoBuds Planar」の充電ケースは丸みを帯びたデザインで、「STAX SPIRIT S10」のケースと比べると奥行きは小さく厚みは少し増した形状で「ちょっと丸っこく」なった印象。バッテリー容量はおそらく増していることも影響していると思います。
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本体は平面駆動ドライバーを搭載していますが実際に耳に装着するフロントキャビティ部のサイズ感は同社のNeoBudsシリーズに近く装着性も比較的近い印象です。
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いっぽうアンテナやバッテリを収容するリアキャビティ部は大口径のドライバーとほぼ同じ幅で、より大きく厚みがあります。この形状は「STAX SPIRIT S10」とほぼ同様で、タッチセンサー付近のデザインの違いのみ、といった印象です。
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タッチセンサーも側面のスリット状になっている部分となっています。タッチセンサーの割当ては基本的にはEDIFIER製品を踏襲しています。


■ 接続性および専用アプリについて

EDIFIER NeoBuds PlanarEDIFIER NeoBuds Planar」は「Bluetooth 5.4」および「Snapdragon Sound」を採用しており、開封時はAndroid端末では「aptX Adaptive」または「aptX Lossless」(対応する端末の場合)、iPhoneなど非対応端末ではAACコーデックで接続されます。Androidの場合は「Google Fast Pair」により本体のフタを開けた時点で端末側で自動で認識するためスムーズにペアリングすることができます。
また端末側が「Snapdragon Sound with aptX Lossless」対応端末の場合(対応端末の詳細は「aptX」サイトのリストを参照ください)初期設定では「aptX Lossless」でペアリングされます。

またペアリングしたAndroidで、「EDIFIER NeoBuds Planar」がサポートする「LDAC」および「LHDC(対応端末の場合)」コーデックを利用する場合は専用の「EDIFIER ConneX」アプリでの切替により対応します。ペアリング後にインストールした「EDIFIER ConneX」を起動し、右上の設定アイコンで設定画面を表示して「HDオーディオコーデック」で有効にします。なお、「LDAC」「LHDC」とも、96kHzモードではビットレートが高いため屋外、特に混雑する環境では途切れやすくなることも多く、通常は「44.1/48kHz」のモードにしておいた方が安定します。
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ANC機能は「適応型ノイズキャンセリング」、「ノイズキャンセリング」、「外音取り込み機能」、「風切り音の低減」および「ノイズキャンセリング機能オフ」の5種類のモードが選択できます。印象としては「適応型ノイズキャンセリング」のほうがより強力にANCが機能し無音化に近い状態にさざまざな周波数帯のノイズを削減し、「ノイズキャンセリング」モードのほうが若干穏やかで主に強めの環境ノイズを中心に削減してくれる印象。ANCの強さ自体は非常に強力で、新幹線の移動で利用してみましたが効率的にノイズを低減してくれました。それでも静かな場所など通常は「OFF」モードで使用し、屋外利用などで環境音が気になる場合に必要に応じてモードを選ぶ、という使い方のほうがよりドライバーの特性を実感出来そうです。
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イコライザーも「EDIFIER」の従来製品の「クラシック」とは異なり「原音」というモードがデフォルトになっているのも特徴的ですね。これは「STAX SPIRIT S10」と同じ仕様でより音質重視の設計になっています。もちろんカスタマイズで細かい設定を手動で設定することも可能です。ちなみに「静電気」というモードは説明を見るとおそらく「Classical」モードなどの設定に近いと思います。

EDIFIER NeoBuds PlanarEDIFIER NeoBuds Planar
ほかにも右上の「設定」ボタンからはタッチセンサーの割当てや感度、マルチポイント接続のON/OFF、装着検出のON/OFFなどのモード設定が可能です。

EDIFIER NeoBuds Planar実際の接続性についてですが、こちらはBluetooth 5.4の採用やおそらくアンテナも強化されていることで接続安定性は従来機種より高い印象です。
ただSnapdragon SoundとLDAC/LDHCの両対応の機種ということで、ギミックが多い製品にありがちな相性問題はもしかしたらあるかもしれません。
SoCがSnapdragon系の場合は同じQualcommのSnapdragon Soundは特に安定しそうですが、QualcommではないAndroid端末やDAPなどの場合は基本的にLDACモードに設定したほうが音質的にも良さそうです。


■ サウンドインプレッション


EDIFIER NeoBuds PlanarEDIFIER NeoBuds Planar」のサウンドは、平面磁界ドライバーによる歪みを抑え高い透明性をもったサウンドにより、高音質という印象だった「NeoBuds Pro 2」などと比較してもレベルの違いを感じさせます。サウンドバランス自体はEDIFIERらしい高域の刺激を抑えたU字に近い弱ドンシャリ傾向ですが、全体的に情報量が多く広く立体的な音場感のなかで厚みのある音を鮮やかに鳴らします。解像感や分離といった点でも非常に優れており1音1音のディテールを精緻に表現してくれる印象です。また音場も広く立体的な印象です。

一般的に平面ドライバーは通常のダイナミックドライバーより駆動力を必要とするため、出力が安定せずバランスが悪いと淡泊な印象になったり籠もりなどを感じたりするなど、有線イヤホンでもアンプ等の上流を選ぶ傾向がありますが、「EDIFIER NeoBuds Planar」では長時間の再生時間と過不足のない駆動力を確保している印象です。

EDIFIER NeoBuds PlanarEDIFIER NeoBuds Planar」の高域は聴きやすく刺激を抑えた印象ながら、歪みを抑え伸びのある音を鳴らします。僅かに温かみを持ちつつも明瞭で、ハイハット等も綺麗に鳴ります。
中音域は凹むことなく鳴り、癖のない自然な音像表現ながら主張は強め。ボーカル域は多少前傾しますが、平面駆動らしい歪みのない音像表現により音場は全方向に広く、音源の特徴を非常に詳細に描写します。ボーカルは女性ボーカルは明るく伸びやかで男性ボーカルは厚みがあります。演奏との分離も良く、自然な印象を維持しながら個々の音を粒立ちよく再生します。
低域はニュートラルなバランスながら十分な量感と厚みがあり、重低音を中心に質の高い音を鳴らします。ミッドベースは直線的で締まりが良く中高域との分離も良好。重低音は深く沈み地響きのような重量感がありますが、解像感は十分に高く重すぎないバランスの良さがあります。

EDIFIER NeoBuds Planarちなみに「EDIFIER NeoBuds Planar」と「STAX SPIRIT S10」の比較では、音質傾向や印象は非常によく似ています。「原音」モードでは「STAX SPIRIT S10」のほうがニュートラル方向で、「EDIFIER NeoBuds Planar」は高域の伸び感などに違いがあり、よりU字の傾向が強化されているなど印象の違いは若干ありますが、どちらもほぼ遜色無いレベル、という印象です。
ほかにもバッテリー稼働時間の違いや、ANCモードの違いなどスペック面で若干の違い(再生時間は「EDIFIER NeoBuds Planar」のほうが長く、ANCは「STAX SPIRIT S10」のほうがモードがより細かい)があり、使い込んでいくことにより多少違いが出てくる可能性はありますが、より低価格で「STAX SPIRIT S10」と同等レベルのサウンドを得られることは大きなメリットと言えるでしょう。


■ まとめ

というわけで、「EDIFIER NeoBuds Planar」は高音質の平面駆動ドライバーを搭載し、ワイヤレスイヤホンとしての性能および音質面でも多くの技術を導入することで、同社のフラグシップである「NeoBuds」がさらに大きくレベルアップした印象があります。
ワイヤレスイヤホンとしても実用的なバッテリー稼働時間があり(テストも兼ねて出張で新幹線を含むさまざまな移動手段などで、のべ5時間以上使用しましたが、充電すること無く非常に快適に利用できました)、ANCなどのノイズキャンセリング機能も非常に強力なほか、装着検出機能、ゲームモード、マルチポイント接続などひととおり網羅しており、さらに音質面も非常にハイレベルにまとまっている点は驚きがあります。

EDIFIER NeoBuds Planar音質面においてもEDIFIERらしいチューニングながら癖の無いサウンドで、一般的なボーカル曲はもちろん、インストゥルメンタルとの相性も良く、クラシックなども美しく再生されます。また立体的な音場感によりライブ音源やオーケストラ演奏における臨場感も優れています。
さらにイコライザーなどによりより細やかなチューニングも可能で、高性能な平面磁界ドライバーにより、多少バランスを変更しても安定したサウンドで楽しめるポテンシャルの高さも実感出来ます。そのためANCなどの機能をすべてOFFにしてよりリスニングに没頭するという使い方も良いと思います。
ワイヤレスイヤホンもハイエンド機となると数万円クラスの製品も珍しくなくなってきましたが、その中では平面磁界ドライバーなどの最新技術と高音質を実現しつつ3万円以下の価格を実現した、「EDIFIER NeoBuds Planar」は比較的お手頃感もあります。ワイヤレスイヤホンをレベルアップ、またはステップアップしたい方には最適なアイテムのひとつになりそうですね。