JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)

こんにちは。今回は 「JUZEAR x Z Reviews Defiant(鳴神)」です。非常にカラフルなデザインに、最新の第3世代ダイナミックドライバーを含む3BA+1DDのハイブリッド構成でバランスの良いリスニングサウンドを実現。価格も100ドル、1.5万円以下と非常にお手頃で購入しやすいイヤホンに仕上がっていると思います。

■ 製品概要と購入方法について

「JUZEAR」は独立した中華イヤホンブランドのひとつで、100~200ドル程度のモデルを中心にリリースしている印象のメーカーです。最近では低価格モデルの「Clear」、6BA+1DDの「Butterfly 61T」、8BA+1DDの「Dragonfly 81T」と相次いで新モデルをリリースしており、美しいシェルデザインと質の高いサウンドで定評を得ています。

今回の 「JUZEAR x Z Reviews Defiant(鳴神)」は名称の通り「Z Reviews」とのコラボモデルでカラフルなデザインと100ドル以下を実現した3BA+1DD構成によるバランスの良いサウンドが特徴的です。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)
ドライバーには、低域用にカーボンPU複合振動板と強力なネオジム磁石を備えた第3世代の10mmダイナミックドライバーを搭載し、深みのある力強い低音を実現します。さらに中音域用×2基、高音域用×1基のカスタマイズされた3基のバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーにより優れた中音域の明瞭さと高音域の伸びの良さを実現しています。さらに特別に開発された3Wayのフルダンピング・アコースティッククロスオーバーを搭載し最適なチューニングと優れたオーディオ性能を発揮します。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)
シェルはDLP 3Dプリントにより精密に成形され、CNC加工されたフェイスプレートはロゴなどをメタルアクセントで装飾し、レインボーとグリーンの2色のカラーバリエーションを用意しています。
ケーブルは6N SPOCC+SCCWハイブリッド線材を採用した0.78mm 2pinケーブルを付属し、3.5mmと4.4mmのプラグの交換が可能です。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)

JUZEAR x Z Reviews Defiant(鳴神)」の価格は99.99ドル、アマゾンでは14,199円です。また製品に付属するケーブルはAliExpressのオフィシャルストアにて39.70ドルで単品購入も可能です。

AliExpress(JUZEAR Official Store):JUZEAR x Z Reviews Defiant


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして JUZEAR より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

というわけで今回は「レインボー」カラーを選択しました。100ドル程度の比較的購入しやすい価格帯の製品ですがパッケージは上位モデルと遜色無いですね。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)

パッケージ内容は本体、ケーブル、交換プラグ、イヤーピース(通常タイプ、ソフトタイプ、S/M/Lサイズ)、ウレタンイヤーピース1ペア、クリーニングクロス、アクリルプレート、ケース、説明書など。コラボモデルと言うことで「例のロゴ」のプレートがオマケで付いてきます。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)

JUZEAR x Z Reviews Defiant(鳴神)」のシェルも上位モデル同様にDLP 3Dプリントされた樹脂製で、メタルシートにカラーペイントすることで複雑な発色をするフェイスプレートが特徴的です。特に「レインボー」カラーは貝殻を利用した「Butterfly 61T」をさらにカラフルにしたような印象でかなり鮮やかな印象ですね。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)
本体側面に右側には「Z Reviews」の例のロゴ、右側は「JUZEAR」のロゴがゴールドカラーでプリントされています。Kineraの某高級モデルのように例のロゴがフェイス部分に無いのは買っても安心で朗報といえますね(^^;)。シェルサイズは「Butterfly 61T」に近く、3BA+1DD構成としてはやや大きめ。金属製のステムノズルも太さがあります。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)
ケースはブランのレザーケースで「61T」「81T」のファブリックカバーのケースより多少高級感が増していますね。いっぽうでイヤーピースは中華イヤホンではより一般的なものが付属します。このへんはどうせ違うものに交換するだろう、ということでコストを下げている部分かもしれませんね。
JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)
ケーブルは青色被膜の高純度 6N 銀メッキOCC線(6N SPOCC/Silver-plated OCC)、赤色被膜の単結晶銅線(SCCW/Single Crystal Copper Wire)による4芯ミックス線ケーブルが付属。非常にカラフルなケーブルで、特に「レインボー」カラーの本体と組み合わせると鮮やかさが一層際立ちますね。透明な樹脂外被は適度に弾力があり、取り回しは良い印象です。


■ サウンドインプレッション

JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)JUZEAR x Z Reviews Defiant(鳴神)」の音質傾向はハーマンターゲットカーブに寄せたU字方向の弱ドンシャリ傾向にチューニングしつつ、JUZEARらしい非常にパワフルな低域が特徴的なサウンドです。
JUZEAR x Z Reviews Defiant」は内部仕様としては上位モデルのなかでも「Dragonfly 81T」をスケールダウンしつつ、採用されている複合カーボンコートPU振動板ダイナミックドライバーは「81T」より進化した「第3世代」仕様(CCP III)になっています。新しいドライバーを採用した低域は強いインパクトとともにキレとスピード感のある音を鳴らします。またミッドにはおそらく「81T」で2基(4BA)仕様で搭載されているBAドライバーと同様の新アーキテクチャのカスタムBAユニットを1基(2BA)搭載します。このユニットは中高域を含め「81T」より幅広いレンジをカバーし、さらにツィーターBAを1基追加し高域を補完しています。

JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)「81T」より構成するドライバー数が少ないことで、ハーマンターゲット寄りなバランスにまとめつつも構成的に重低音を中心とした低域のインパクトがより強く、中音域や高域は滑らかさより鮮やかさにフォーカスした印象のサウンドです。いっぽうで、ボーカル域は適度に温かみがあり、いわゆる中華ハイブリッド的な寒色系のドライなサウンドとは一線を画しています。本体デザインにあわせた鮮やかさを感じる傾向ながら自然なリスニングサウンドにまとまっている印象ですね。
ちなみに、ニュートラル方向で近い価格帯の3BA+1DD構成の製品というと「Truthear HEXA」あたりが思い浮かびますが、「HEXA」はより無味無臭に近いフラット方向のニュートラルで、「JUZEAR x Z Reviews Defiant」はより低域にインパクトがあり、ボーカル域は暖かく、よりU字または緩やかなV字の印象を感じさせます。

JUZEAR x Z Reviews Defiant」の高域は鮮やで適度にスッキリした印象で明瞭な音を鳴らします。中華ハイブリッド的な金属質の粒状感は無く、適度に空気感で自然な印象です。解像感などは上位モデルにおよびませんが、歯擦音などの刺激をコントロールしつつも見通しは良い印象です。再生環境により高域の伸び感が多少変化するため、バランス接続で再生環境を変えてみるのも良いかも知れませんね。

JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)中音域はボーカル域は若干前傾するものの比較的自然な距離感で定位し、色彩豊かな鮮やかさを感じる印象で鳴ります。寒色系の強めのメリハリ感とは異なり、ボーカル域は若干の温かみがあるものの、明瞭で適度な豊かさがあります。女性ボーカルはアクセントは弱めですが自然な伸び感があり、男性ボーカルは非常に豊かで厚みがあります。低域に特徴のあるJUZEARはどちらかというと男性ボーカルが強い印象がありますね。それでも女性ボーカルのアニソンなども綺麗に再生されます。
なお、傾向としてはディテールの細かさより、全体の雰囲気と楽しさを重視したチューニングのため、解像感は一般的な印象。それでも高域同様に適度な空気感があり、自然な分離により音場の広がりとV字的なレイヤー感も少し感じる奥行きによりリスニング的な心地よさがあります。ちなみに、「JUZEAR x Z Reviews Defiant」のサウンドについては付属ケーブルの情報量の多さとミックス線らしい濃いめの傾向も結構寄与している印象で、傾向の異なるケーブルではまた違った印象となる場合もありそうです。

JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)低域は強いインパクトにより存在感のある音を鳴らします。量的にはハーマンターゲット寄りのニュートラル方向、U字方向のバランスに調整されており過度にブーストされているわけではありませんが、力強さのある重低音を中心に全体を下支えしています。ミッドベースは直線的で締まりのある印象ながら適度に量感があり、力強いパンチ力があります。スピードも速くで中高域との分離も良好な印象で膨らんだり籠もったりすることはありません。重低音は深く沈み下の方から適度な響きがあります。とはいえ過度にブーストされることは無くニュートラルなバランスで調整されているため低域好きの方向けの音ではないと思いますが、この価格帯として質感は良好で全体として非常に心地よくバランスを取っています。


■ まとめ

JUZEAR x Z Reviews Defiant (鳴神)というわけで、「JUZEAR x Z Reviews Defiant(鳴神)」は約100ドル、1.5万円以下の価格設定でまとめつつ非常に魅力的な外観とバランスの取れたリスニングサウンドを実現していました。バランス重視、鮮やかさや聴き心地の良さ重視した音作りに特化しており、上位モデルと比較して解像感や細かなディテールの表現などは多少割り切っていますが、結果としてお手頃価格で非常に使いやすいイヤホンに仕上がっていると思います。本体同様にカラフルなデザインですが付属ケーブルも非常に質が高い点もポイントですね。購入したらすぐに楽しめるお手頃なイヤホンとして多くの方におすすめできる製品だと思いますよ(^^)。