
こんにちは。今回は 「HIDIZS MK12 Turris」です。DAPおよびアンプ製品やイヤホンで精力的に新製品をリリースしている「Hidizs」から、世界初の12mm大口径91%ピュアマグネシウム振動板ダイナミックドライバーを搭載したイヤホンがリリースされました。
6月10日(PST)、日本時間では6月11日0:30よりKickstarterで先行販売が開始されています。
■ 製品概要について
「HIDIZS」はコンパクトなDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やスマートデバイス用のオーディオアダプターの分野で人気の高いブランドですね。さらに最近ではイヤホンも高音質・高品質な新製品を精力的にラインナップしており、どのモデルも多くのユーザーから高い評価を受けています。
「HIDIZS MK12 Turris」は世界初の12mm大口径91%ピュアマグネシウム振動板ダイナミックドライバーを搭載したIEM製品です。本体はアルミニウム合金製で片側10g未満の軽量設計で耳への負担を軽減し、長時間の快適なリスニング体験を実現。より迫力のある低音、よりクリアな高音、純粋な HiFi サウンドを、羽のように軽く、安定した快適な装着感で楽しめるイヤホンです。


「HIDIZS MK12 Turris」の大口径の12mmダイナミックドライバーは0.03mmと極薄のピュアマグネシウム振動板を搭載。金属振動板として使用される従来のアルミニウム-マグネシウム合金(Al-Mg)振動板などと比較し30%~40%軽量化。さらにドライバーには1.5テスラの磁気回路を搭載し、118dBまでのより強力な駆動力と幅広いダイナミクス、超低 THD <0.3% と 0.01ms の応答を実現することで、驚異的な明瞭度、スピード、純粋な HiFi の正確なディテールを再現します。


「HIDIZS MK12 Turris」の外観は、自然界の「不滅の驚異」とも呼ばれ、5億8000万年にわたる進化の過程を持つベニクラゲにインスピレーションを得ています。精密CNC加工されたアルミニウム合金により、クラゲをイメージした滑らかな曲線を組み合わせたデザインを採用。軽量で耐久性に優れ、キャビティ内の空気の流れを確保し、完璧なバランスで調整しています。最先端の音響技術を融合することで、「HIDIZS MK12 Turris」はクリスタルクリアなサウンド、優れた遮音性、そして自然の柔らかさと力強さを表現しています。


さらに、「HIDIZS MK12 Turris」は3種類の空気圧式チューニングフィルターを採用。「Rose Gold」はバランスタイプで、HIDIZS の特徴的なスタイルに調整されポップスなどに最適。「Silent Silver」は高域強化タイプで滑らかさが向上し、ACG やクラシック音楽に最適。そして「Enchanting Red」は低域強化タイプで鮮やかでエネルギッシュ、ロックやヘビーメタルに最適です。
「HIDIZS MK12 Turris」の詳細についてはHidizs社サイトをご覧ください。
リンク: Hidizs社サイト: 「HIDIZS MK12 Turris」
「HIDIZS MK12 Turris」の予定販売価格は199ドルです。
先行販売でKickstarterでのプロジェクトが6月10日10:30AM(EST)、7:30AM(PST)、日本時間では6月10日0:30より開始されました。アーリーバードでは129ドル~139ドルの先行価格で予約可能です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Hidizs より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「HIDIZS MK12 Turris」のパッケージは製品画像を載せたシンプルなデザイン。裏面には日本語を含む各国語で仕様が記載されています。今回「Rose Gold」の4.4mmで届きました。
また新しい「Sea Anemone」シリコンイヤーピースも同梱されていました。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(3種類、それぞれS/M/Lサイズ)、サウンドフィルター(ケース入り)、レザーポーチ、説明書、保証カード。


「HIDIZS MK12 Turris」の本体デザインは結構大きめで、ベニクラゲをイメージした個性的なシルエットをしています。サイズ感のある外観ですが片側約10gとアルミニウム合金製としては比較的軽量にまとめられており、思った以上に装着感は良好です。


装着側(フロントキャビティ)はHidizsの「MSシリーズ」のような耳にフィットしやすいデザインで成形されており長時間の利用でも快適に装着できます。実際のサイズは「MS5」に近いですね。コネクタは0.78mmの2pin仕様でリケーブルの選択肢も多く選べますね。


また「HIDIZS MK12 Turris」には3種類のノズルフィルターが装着済みおよび同梱されており、標準ではバランスタイプの「Rose Gold」が装着済みです。さらに高域強化タイプの「Silent Silver」、低域強化タイプの「Enchanting Red」が同梱されます。
比較すると「Silent Silver」はメッシュ部分の裏面にほぼフィルター材の無い状態で、「Enchanting Red」はより濃いめのフィルター材が貼り付けられているのが確認出来ますね。


ケーブルは左右の線材を撚り線にした2芯タイプで導体には高純度のOFC銀メッキ線を採用しています。少し細めのケーブルで透明な被膜は適度な弾力があり取り回しは良好です。


イヤーピースは標準で3種類のタイプが付属します。同梱いただいた「Sea Anemone」シリコンイヤーピースは最近増えている液体シリコンではないもののより質の高い印象のイヤーピースですね。ちなみに「ベニクラゲ」に「イソギンチャク(Sea Anemone)」を組み合わせるというのはリアルに想像するとなかなか謎な雰囲気ではありますね(^^;)。
■ サウンドインプレッション

前述の通り3種類のフィルターは標準の「Rose Gold」をベースに高域強化の「Silent Silver」と低域強化の「Enchanting Red」という組み合わせになっています。「Silent Silver」はバランスとしては「Rose Gold」をある程度踏襲しつつ、より明るくスッキリした印象のサウンドになります。ほぼフィルター材を使用してないため、ある程度音量を上げると刺激を感じやすい可能性があります。また相対的に低域が少し控えめになります。

また「HIDIZS MK12 Turris」はインピーダンス 32Ωの、感度 111dBと多くの再生環境で比較的鳴らしやすい仕様になっているのもHidizsらしいチューニングと言えるでしょう。スマホ直差しでもそれなりに使えそうですね。それでもある程度のオーディオアダプターやDAP等の利用により、よりポテンシャルを引き出すことができるでしょう。リケーブルの効果もそれなりに感じられる印象です。

中音域は凹むこと無くニュートラルな音で再生されます。若干U字寄りのためボーカル域は少し前傾しており存在感があります。女性ボーカルの高音などの中高域には適度なアクセントがあり明瞭で伸びのある音を鳴らします。また男性ボーカルや演奏など、中低域付近はいわゆるハーマンターゲットのバランスより厚みを増したチューニングで、適度な温かみを加えつつ自然で豊かさを感じる印象で再生されます。

低域はニュートラルバランスの範疇ながら中低域を中心に適度に強調されており、全体的に自然な印象で鳴ります。ミッドベースは金属振動板らしいキレの良さとスピード感を保ちつつ自然な響きがあり、広い音場感を支えている印象です。また適度に量感と力強さを持ちつつも締まりが良く、中高域との分離も良好です。重低音は深く沈み量的には一般的ながら自然な存在感があります。低域の印象は再生環境で多少変化するため、量感が物足りないと感じる場合はより駆動力のある再生環境での利用が望ましいでしょう。また低域についてはリケーブルの効果もそれなりにあるため、情報量の多い高純度銅線などにリケーブルして低域の伝導性を付属ケーブルよりアップさせるのも効果的でしょう。
また前述の通り「Enchanting Red」フィルターを使用することで相対的に低域の量感を増すこともできますが、実際は中高域を抑えて相対的に低域を増した印象としているため好みは分かれそうです。
■ まとめ

Kickstarterでは標準予定価格199ドルに対して、アーリーバードで129ドル~139ドルで購入可能ですので、興味のある方は購入してみるのも良いと思いますよ(^^)。