
こんにちは。今回は 「SMSL D1」です。中国のオーディオブランド「SMSL Audio」の新モデルです。1万円程度の低価格設定ながらDACチップにROHM製「BD34352EKV」を搭載し、機能を絞ることで色々な用途で組み合わせができる音質特化のモデルに仕上がっています。
■ 製品概要と購入方法について
「S.M.S.L(SMSL Audio)」は、2009年に深圳で設立された実績のある中国のオーディオメーカーとしてお馴染みですね。中華アンプおよびUSB-DAC製品のブランドとしてはすっかり定番になっています。ハイエンドからエントリークラスまで非常に幅広いラインナップも魅力ですね。
今回の「SMSL D1」はUSB-DAC製品の新モデルとなります。アンダー100ドル級の低価格モデルながらDACチップにROHM製「BD34352EKV」を搭載。タッチコントロールによる操作パネル、セルフパワー入力の設定など要所を押さえた設計が特徴です。


前述の通り、「SMSL D1」はROHM製「BD34352EKV」を搭載。iBassoの「DX320」や「DC Elite」などの上位モデルで採用されてるDACチップを搭載。その他高品質の部品を採用し、音質特化の仕様となっています。


「SMSL D1」の仕様は出力2.0Vrms、THD+N: 0.00038% (-108dB)、SNR: 119dB、サイズ:101×33×90mm(幅×高さ×奥行き)、重量: 201.1gとなっています。


「SMSL D1」の価格は89.99ドル。アマゾンでは10,500円で購入可能です。
現時点ではアマゾンの方が結構安く購入できますね。
Amazon.co.jp(S.M.S.L-Audio): SMSL D1
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして S.M.S.L-Audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
というわけで「SMSL D1」ですが、SMSLから同クラスのUSB-DACは他にも「SU-1」(10,630円、AK4493S、MQA対応)、「DS100」(12,500円、CS43131、MQA対応、ヘッドホンアンプ6.35mm&4.4mm内蔵)、「PS200」(13,299円、ES9039Q2M、MQA対応、Bluetooth搭載)と言ったモデルがあります。
「SMSL D1」はMQA非対応ですし、付加機能も無く、「BD34352EKV」全振りモデルと言えますね。


低価格製品ということもあり、パッケージはシンプルなデザイン。パッケージ内容も本体、USBケーブル、簡易説明書。バスパワー動作も可能なため、付属ケーブルは1本ですね。


本体はコンパクトな金属筐体で、フロントパネル部分のみアクリル製でタッチスクリーン仕様になっています。インジケーターは液晶などでは無く、スイッチで電源ON/OFFや入力モード設定が点灯する程度のシンプルなデザイン。ボリューム設定等もありません。


後方の入力はUSB Type-C、コアキシャル、TosLink(光)の各ポートで、出力はRCAのみ。用途を割り切った非常にシンプルな仕様です。


USB-DACとしての仕様は最大32bit/768kHz PCM、DSD512で、MQAデコーダー機能はありません。Macの場合はDSDはDoPとなるためAudirvanaではDSD256までの対応で表示されます。
Windowsの場合はSMSLのサイトのサポートページで「DAC/D series」のドライバーをダウンロードしてインストールすることでASIOネイティブドライバーを利用できます。
■ サウンドインプレッション

SMSLのほぼ同価格の「SU-1」(10,630円、AK4493S、MQA対応)も過去に個人的に購入した事があるのですがこちらも癖が無く音像も自然な印象ではあったものの、僅かにカマボコ寄り、ミッドセントリック感のある印象で、解像感も過去の同社のAK4490系のDAC製品に近い印象でした。
これに対し、「SMSL D1」は明らかに解像感や音場感に違いがあり、高性能DACによる音質特化のチューニングの恩恵があります。またよりフラット感が高く解像度の高いヘッドホンアンプやモニタースピーカーと相性の良さがありますね。
機能を絞っているためはっきりとした用途があるケースで利用することが望ましい製品ですが、普段使い用のオーディオアダプターに特化して利用すればかなり利便性は高いと思います。
■ まとめ

低価格DACも色々聴いていますが、1万円程度で「BD34352EKV」を搭載し、この音質で楽しめるのは結構驚きでした。個人的にはアクティブスピーカーに接続した普段使いで活用しようと思っています。