
こんにちは。今回は 「NICEHCK NX8 Special Edition」です。NICEHCKの人気モデル「NX8」に日本市場向けに新たなチューニングを加えた特別版がリリースされました。
日本向けに別カラーでちょっと鮮やかさを増したチューニングの特別版を出す、というのは古くは「Shure SE215SE」や「SE535LTD」のヒットというのがあり、以降いくつかの製品で踏襲された手法ですが、まさかNICEHCKで「それ」が出るとは、とちょっと隔世の感はありますね(^^;)。
現在クラウドファンディング「ミミゴト」にて6/30まで先行販売中です。
■ 製品概要と購入方法について
中国のイヤホンセラー「HCK Earphones」は私のブログでもお馴染みの老舗中華イヤホンセラーで、多くのマニアに絶大な支持を受けていることでも知られています。そのオリジナルブランドの「NICEHCK」もまた多くのマニアに寄り添った「他とはちょっと違う製品」が特徴でしたがここ数年で高音質なイヤホンブランドとして評価および知名度も一気に向上。国内代理店もできて店頭試聴や購入が可能なモデルも増えてきており今後の発展も大いに期待できます。
→ 過去のレビュー(一覧): NICEHCK製品のレビュー
そして国内販売でも好評を得ているのが「NICEHCK NX8」ですが、今回日本国内向け仕様ということでリリースされたのが「NICEHCK NX8 Special Edition」です。オリジナルの「NX8」同様に、「1DD+6BA+1PZT」の8ドライバー構成を採用し、優れたコストパフォーマンスを維持しつつもフェイスデザインの変更のほか、音質面ではより華やかのある日本向けチューニングを採用しています。
→過去記事: 「NICEHCK NX8」 進化した1DD+6BA+1PZTの8ドライバーハイブリッド構成。成熟されたニュートラルサウンドが心地よい200ドル級高音質イヤホン【レビュー】
→ 過去のレビュー(一覧): NICEHCK製品のレビュー
そして国内販売でも好評を得ているのが「NICEHCK NX8」ですが、今回日本国内向け仕様ということでリリースされたのが「NICEHCK NX8 Special Edition」です。オリジナルの「NX8」同様に、「1DD+6BA+1PZT」の8ドライバー構成を採用し、優れたコストパフォーマンスを維持しつつもフェイスデザインの変更のほか、音質面ではより華やかのある日本向けチューニングを採用しています。
→過去記事: 「NICEHCK NX8」 進化した1DD+6BA+1PZTの8ドライバーハイブリッド構成。成熟されたニュートラルサウンドが心地よい200ドル級高音質イヤホン【レビュー】


「NICEHCK NX8 Special Edition」では既存の「NX8」同様に「1DD+6BA+1PZT」の8ドライバー構成を採用。低域用の10mm 二重磁気回路ダイナミックドライバー、中音域用に2基のBA、高域から超高域用に4基のBAを採用し合計で6基のBAを搭載。さらに超高域用のピエゾセラミック(PZT)を加えた8ドライバーハイブリッド構成を採用しています。今回は日本仕様の特別版として新たなチューニングを実施し、「NX8」の優れた低域を踏襲しつつ、さらに高域をよりクリアに調整し、鮮やかで生き生きとしたボーカルやオーケストラ音楽が楽しめるサウンドに仕上げました。


シェルは肌に優しい樹脂を用いて3Dプリントで作成。「NICEHCK NX8 Special Edition」のフェイスプレートは星空模様をイメージした新たなデザインを採用しています。
ケーブルは0.78mm 2pin仕様でOCC(単結晶銅)に銀メッキを施した導線を使用。新たにプラグ交換式を採用し、3.5mm/4.4mmの交換可能なプラグが付属します。


「NICEHCK NX8 Special Edition」の通常販売価格は34,800円前後(税込み)の予定。
5月31日から6月30日までクラウドファンディングサイト「ミミゴト」にて予約販売を実施中で、早期割引価格での購入が可能です。
「ミミゴト」予約販売ページ:NICEHCK NX8 Special Edition
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HCK Earphones より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
パッケージはフェイスデザインをイメージした星空のデザイン。「NX8」のパッケージデザインを踏襲しつつ新たなフェイスデザインを踏まえたデザインになっています。また内箱の文字印刷が鮮やかなグリーンになっているのも特徴的です。


パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ、交換用予備ノズルフィルター、ケース入りのイヤーピース(「NICEHCK 07」および「NICEHCK C04」が各サイズ)、クリーニングブラシ、ケーブルタイ、レザーケース、説明書、保証書など。今回も非常に充実しています。


本体は3Dプリントによるレジン(樹脂)製で、フェイス部分はアルミニウム合金製のフレームで覆われ、星雲模様のフェイスプレートを装飾しています。フェイスデザインは「NICEHCK NX8 Special Edition」ではグリーンの模様を採用しています。また交換可能なステムノズルも金属製です。


8ドライバー構成のマルチドライバーハイブリッドですが、フェイスサイズは「NX8」同様に比較的コンパクトにまとめられています。ドライバーの収容スペースを確保するためにある程度の厚みがある、ちょっと丸っこい感じのデザインです。それでも樹脂製で非常に軽量で耳の収まりも良く装着性もまずまず良好です。


イヤーピースは従来の「AET07」互換の「NICEHCK 07」に加えて高密着タイプの「NICEHCK C04」がXSサイズを含む4サイズ付属しています。


ケーブルはミックス線タイプの2芯撚り線で、被膜は適度な弾力があり取り回しの良い印象のケーブルです。「NX8」からの変更点はプラグが交換式となり、標準で3.5mmと4.4mmのプラグが付属します。
■ サウンドインプレッション

ただ、オリジナルの「NX8」がもともと評価が非常に高くバランス的にも優れたイヤホンでしたので、「NICEHCK NX8 Special Edition」については、「NX8」の良さを踏襲し上記のポイントはこのバランスが崩れない範囲でエッセンスとして加わっている、という感じですね。

超高域用のピエゾ(PZT)ユニットは「NX8」同様に解像感をアップするためのエッセンスとして後方で機能し、「NICEHCK NX8 Special Edition」ではおそらく6基のBAユニットがより明るく鮮やかに鳴るチューニングに変更されているようですね。
「NICEHCK NX8 Special Edition」の高域は、明瞭な伸びの良い音を鳴らしつつ硬質になりすぎず自然な印象も踏襲しています。「NX8」に比べるとより明るく鮮やかさが向上していますが、刺さり等の歯擦音はちゃんと調整されています。ピエゾユニットは後方で高域を補完し、解像感や分離が高く、直線的な見通しの良さがあります。
また「NX8」同様に、過去の「NX7」シリーズの初期のモデルのようなピエゾ感を強調した派手さは皆無で、あえてピエゾを感じさせない自然な音作りはとても好感が持てます。日本向けのチューニングという特徴は反映しており、高域成分の多いアニソンなどを多く聴く方の際はオリジナルの「NX8」より「NICEHCK NX8 Special Edition」のほうが好感する可能性が高いでしょう。

ボーカル域は自然な距離で鳴りますが見通しの良さと解像感の高さにより不足を感じることはありません。6基のBAユニット部はつながりも良好で、歪みを抑えた自然な印象で再生され、女性ボーカルの高音も男性ボーカルの低音も明瞭かつ自然に感じさせます。
音場も左右、上下とも自然な広さですが、V字方向のレイヤー感により広めの印象で立体的に楽しむことが出来ます。

重低音は深さをエネルギーがあり、低域の量感がある楽曲でも不足無く心地よい低音で全体を下支えします。これだけエネルギッシュな低音を鳴らしてもハイブリッド的な派手さをあまり感じさせず、同時に暖色系にならずあくまでニュートラルバランスで仕上げられている点は非常に興味深いですね。
■ まとめ

いっぽうでニュートラル方向、フラット傾向のサウンドが好みの方には従来通りの「NX8」のほうがむしろ好印象、というパターンもあると思います。双方に優劣は無く、あくまで好みで選ぶという印象でした。ただ、「SeeAudio NEKO」など日本国内向けの別バージョンをリリースする製品は最近でもそれなりにありますので、やはりこちらの傾向を好むユーザーも多いのかな、と思います。
もし「NX8」を検討中の方で、アニソンなどを中心に楽しむ方であれば、先行価格で掴んでみるのも良いと思いますよ(^^)。