
こんにちは。今回は 「EDIFIER W80」です。音質面でも定評のあるEDIFIERブランドから新しくリリースされたワイヤレスヘッドホンです。1万円程度の価格設定ながらLDACコーデックによるハイレゾ再生や強力なANC機能に対応し、使いやすい音質に加え長時間再生など機能面でも充実しており幅広い用途で楽しめる製品に仕上がっています。
■ 製品概要と購入方法について
「EDIFIER」は中国発の大手オーディオブランドで、ブックシェルフタイプのスピーカー製品で幅広く認知され、現在はワイヤレスオーディオ分野での様々な製品で幅広い実績と人気を集めるグローバルなメーカーとして有名です。日本市場においてもスピーカー製品はもちろん、高性能・高音質なワイヤレスイヤホンおよびヘッドホンなどの製品を相次いでリリースしており高い評価を獲得しています。
今回の「EDIFIER W80」はセール時には1万円程度で購入も可能な価格設定で、LDACコーデック対応、最大-49dBのハイブリッドANC対応、最大65時間の長時間バッテリー駆動などを実現したコストパフォーマンスに優れオールラウンドなワイヤレスヘッドホンです。


「EDIFIER W80」が搭載するドライバーはチタンコーティング振動板を採用した40mmダイナミックドライバーで、深みのある低音とクリアな中高音による没入感のあるサウンドを実現。
またハイブリッドANC(アクティブ・ノイズキャンセリング)機能を搭載し、オーバーイヤーによる遮音設計と併せて最大-49dBのノイズをカット。ANC機能は「高ノイズキャンセリング」「中ノイズキャンセリング」「風切り音低減」の3段階の強度に対応し、騒がしい場所でも集中して音楽を楽しめます。


バッテリー駆動時間は最大65時間(ANC OFF時。ON時は最大40時間)のワイヤレス再生が可能。15分の充電で10時間分の再生を追加できる急速充電機能も備えており音楽を途切れず楽しめます。本体は人間工学に基づき快適性と実用性を兼ね備えたデザインを採用しており、長時間の装着でも快適に利用できます。


他にも、ワイヤレス接続と有線接続(3.5mm AUXケーブル使用)への対応、マルチポイント対応、低遅延ゲームモード(0.08秒)に対応、そして「EDIFIER ConneX」アプリによる詳細設定対応と、EDIFIERのワイヤレスヘッドホンとしての基本機能を全て網羅しています。
| Bluetooth | V5.4 |
|---|---|
| ドライバー | 40mm チタンコート 振動板ダイナミック ドライバー |
| コーデック | LDAC / AAC / SBC |
| ANC | 約-49dB (高 / 中間 / 防風 / 外音) |
| ENC | AI制御 音声ノイズキャンセリング |
| 再生モード | ミュージックモード 立体音響モード ゲームモード(80ms低遅延) |
| 有線対応 | 3.5mm AUX有線対応 |
| 複数接続 | マルチポイント対応 |
| アプリ | 「Edifier ConneX」アプリ |
| 再生時間 | ANC OFF: 最長65時間 / ANC ON: 40時間 |
| 充電時間 | フル充電: 1.5時間 (15分間充電で10時間再生) |
| 本体重量 | 約297g |
「EDIFIER W80」の購入は直販サイト、アマゾンまたは楽天市場の公式ストア、各種専門店にて。
価格は12,980円ですが、割引コードの併用で1万円程度での購入が可能です。
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして EDIFIER JAPAN より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は「ブラック」カラーの「EDIFIER W80」が届きました。白を基調としたシンプルなパッケージデザインです。


パッケージ内容は本体、充電用USB Type-Cケーブル、有線接続用3.5mm AUXケーブル、布製ポーチ、説明書、保証カードなど。説明書は日本語で分かりやすい内容となっています。


「EDIFIER W80」の本体は樹脂パーツと金属パーツの組み合わせにより使いやすさと耐久性をうまく両立しています。本体形状は既存の上位モデルの「W950NB」(発売当時25,999円)を踏襲したデザインを採用。比較的シンプルな形状だった「W830NB」と比べると重量は若干アップしているものの高級感のある印象となっています。


プロテインレザーで覆われた低反発素材のヘッドバンドやイヤーパッドもソフトでしっかり耳を覆いホールドしつつ長時間のリスニングでも痛くならない配慮があります。またイヤーカップ部は90°回転し、らさにヒンジも内側に曲げて比較的コンパクトに布製のポーチに収納できます。この辺の配慮も実用的なデザインでよくまとまっていると思います。側圧はやや強めですがしっかりホールドしつつ長時間の装着でもあまり痛くならない印象です。


本体の操作系は、右側下部に電源/実行ボと音量ボタン、マルチファンクション(M)ボタンと充電用USB Type-Cポートが配置され、左側には有線出力用のAUXコネクタがあります。細かい操作はアプリで行いますが、電源のON/OFF、音量、およびANCモードなどの変更はこれらのボタン操作でも対応出来ます。アプリが使用できない専用プレーヤーやPC/Macなどでペアリングした場合もボタンで一通りの操作が可能です。
■ 接続コーデックおよび専用アプリについて
「EDIFIER W80」は有線で「ハイレゾオーディオ」、ワイヤレスで「ハイレゾワイヤレス」に準拠しており、対応するAndroidデバイス等では「LDAC」コーデックで接続可能になります。またLDACに対応しないiPhoneなどではAACコーデック、ゲーム機などのデバイスではSBCでの接続となります。


またAndroid等では初期設定の状態でも「LDAC」コーデックで接続しますが44.1kHz/48kHzの非ハイレゾのモードになっているため、96kHzのハイレゾモードに設定するためには「Edifier ConneX」アプリでの設定変更が必要です。アプリの右上のアイコンで設定モードで「LDAC」のサンプリングレートを変更します(変更後は再接続となります)。


アプリの起動画面では「ANC」設定、「イコライザー」設定、「サウンドモード」設定が選択できます。ANCは「高」「中間」「風切り音の低減」「外音取り込み」「OFF」の各モードが選択可能。サウンドモードで音楽モード以外に立体音響モード、低遅延のゲームモードの各モード切替えに対応します。そしてイコライザー機能は標準の「EDIFIER」のほか「ジャズ」「ロック」の3種類のプリセットに加えてカスタマイズにも対応します。


アプリの起動画面では「ANC」設定、「イコライザー」設定、「サウンドモード」設定が選択できます。ANCは「高」「中間」「風切り音の低減」「外音取り込み」「OFF」の各モードが選択可能。サウンドモードで音楽モード以外に立体音響モード、低遅延のゲームモードの各モード切替えに対応します。そしてイコライザー機能は標準の「EDIFIER」のほか「ジャズ」「ロック」の3種類のプリセットに加えてカスタマイズにも対応します。
■ サウンドインプレッション
「EDIFIER W80」はBluetooth 5.4に対応し、消費電力を抑えつつも安定した接続性を実現しています。「LDAC」コーデックはハイレゾ情報を伝送するため「SBC」および「AAC」よりビットレートが高く、電波環境により接続性が影響されやすい側面がありますが、屋外での利用でも十分な接続性を確保しています。しかし、都心などの混雑する環境では初期設定の「44.1kHz/48kHzモード」「ベストエフォート(ビットレート自動)」を選択した方が安定します。より高音質な「高音質」モードおよび「96Kサンプリングレート」は屋内など高ビットレートでの接続を確保出来る場合での利用が望ましいでしょう。またANC機能は最大-49dBと非常に強力で、「高」モードでは屋外でもかなり効果的にノイズを削減し、快適なリスニング感を実現します。屋内では「中間」モードでも十分な静寂感を得ることが出来ます。ANC機能をONにすると音質が低下するメーカーの製品も結構多くありますが、EDIFIER製品は音質低下は非常に少なく、むしろ無音化によるダイナミックレンジの向上のメリットのほうが大きい倍もあります。ANC ONでも最大40時間と比較的長時間再生が可能なこともあり屋内などでもある程度は積極的にANCをONにしても大丈夫だと思います。
サウンドモードでは低遅延の「ゲームモード」のほか「立体音響」も利用でき、動画視聴などで好みに応じて利用してみるのもよいかも知れませんね。
「EDIFIER W80」の音質傾向はEDIFIERらしいやや中低域寄りのドンシャリで、イコライザ設定が標準の「EDIFIER」ではボーカル域にフォーカスした弱ドンシャリ、あるいは緩やかなW時に近い印象です。低域も十分な量感があり、高域も明瞭ながら刺激を抑えた聴きやすい印象で、様々なジャンルの曲を気軽に楽しむことが出来ます。また緩やかなV字傾向のサウンドですが中音域の凹みは少なく、ボーカル域が多少前傾したバランスで再生されるため、女性ボーカルなどの中高域付近は明るくアクセントがあり男性ボーカルは適度に温かく自然な厚みと広がりがあります。演奏との分離も自然で聴き取りやすい印象です。低域はミッドベースを中心に量感とアタックの力強さがり、全体的にあっさりめの低音ながら中高域を気持ちよく下支えしてくれます。
「EDIFIER ConneX」アプリによるEQの各プリセットモードも自然な変化で思ったより使いやすそうです。全体的にまとまりがよく、癖の無いサウンドのため幅広いユーザーが楽しめるサウンドだと思います。
なお、付属のAUXケーブルで接続する「有線接続」時は接続すると自動で電源がONとなり有線接続モードになります。この場合は「EDIFIER ConneX」アプリなどによる設定等は無効になるためANC機能なども使えなくなりますが、音質傾向は上記の「EDIFIER」イコライザ設定に準拠したチューニングとなり、さらに有線接続により、より輪郭のハッキリした見通しの良いサウンドになります。LDAC(96kHz)もかなり明瞭な印象のため有線接続との差は小さくなっていますが、遅延ゼロでより高音質を楽しみたい場合に有線接続も有効な手段となるでしょう。■ まとめ
というわけで、「EDIFIER W80」はセール時は実質1万円程度という低価格で購入可能な価格設定ながら、上位モデルの外観と機能をポイントを押さえて踏襲して、非常にコストパフォーマンスの高いモデルにまとめられています。
LDACコーデックおよび強力なANC機能のほか、実用的な機能をひととおり網羅し、長時間の再生にも対応するなど、ライトユーザーを含めた幅広い層で楽しめる製品に仕上がっていると思います。また有線接続でも実用的な音質で楽しめる点も好印象でした。音質的にも多くのユーザーが楽しめるバランスの良い仕上がりになっており、普段使いでガンガン使うヘッドホンとしては結構オススメできる製品だと感じます。
もちろんEDIFIERの上位モデルとは解像感や音場感などで価格相応の違いがありますし、有名ブランドの製品と比較した場合に音質面で突出した特徴があるわけではありません。しかし、リスニング、ゲーム、動画視聴、Web会議や音声通話、さらにはPCやゲーム機への有線接続まで、かなり幅広い用途に対応出来る多機能とアプリのシンプルな操作性や実用的な音質など手頃な価格で購入できるバランスの良さ、という意味ではかなり強力な選択肢になるのではと思いますよ。








