BQEYZ Winter II

こんにちは。今回は 「BQEYZ Winter II」 です。12mm高性能ダイナミックドライバーとPZT骨伝導ユニットによるドライバー構成を採用し、ニュートラルベースのサウンドでボーカル域に彩りを加える豊かなサウンドが魅力。「Winter」シリーズ3度目のアップグレードにより全方位で質感が向上し、より完成度の高いサウンドを楽しむことができます。

■ 製品概要と購入方法について

中国のイヤホンブランド「BQEYZ」はOEM/ODM製造メーカーとして長年の実績を持ちつつ、2018年以降独自の製品展開を開始。主に低価格中華ハイブリッドの分野で存在を認知されるようになりました。そして2019年からの「四季」シリーズの各製品の完成度の高いサウンドにより多くのマニアに認知されることになります。そして「四季」シリーズに続き新たにスタートした「ウェザーシリーズ」として「WIND」、「CLOUD」順次リリースしており、どちらの製品も大きな話題となりました。

今回の「BQEYZ Winter II」は「四季シリーズ」のなかでも高性能ダイナミックドライバーとPZT骨伝導ユニットを搭載した「Winter」のアップグレードモデル。これまでも「Winter」およびコラボ仕様の「Winter Ultra」がリリースされていますので3世代目の製品となりますね。
BQEYZ Winter II」は従来の「Winter」シリーズから包括的なアップグレードを実施。純粋で滑らかなボーカル、高速な過渡応答、迫力のあるサウンドを表現。シェルデザインもアップグレードし装着感を向上させ、骨伝導ユニットのパフォーマンスも向上しています。
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PZT圧電技術を用いた骨伝導システムにより振動ユニットでハウジングを駆動。精密加工された高剛性アルミニウム合金シェルは不要な振動や二次共振を抑え、静かなバックグラウンドでより純度の高いサウンドを実現します。圧電式の骨伝導ユニットは伝達効率が良く駆動製が高いのも特徴です。

BQEYZ Winter II」では11.6mm PZT骨伝導ユニットを搭載。日本製のシルバー・パラジウム合金を採用しパラジウム比率を2%→5%に引き上げ導電性を向上し、明瞭度・輝き・感度が高まります。
12mm デュアルキャビティ・ダイナミックドライバーを搭載。独立したエアフロー設計で最適な気流経路の確保。特に動的な音圧や低~中域での非線形歪みを抑え、正確かつ純度の高い音色をもたらします。高磁束密度のネオジム磁石とDAIKOKU製DCCAボイスコイルの組み合わせで中高域の分離と解像度を向上。磁気回路を徹底的に洗練し低域の伸びを改善。変換効率の向上、過渡応答の高速化、タイトな制御、エネルギッシュな鳴りを実現します。
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また「BQEYZ Winter II」では前世代比 22%の小型化した新設計シェルを採用。フィット感が向上し骨伝導の伝達効率と装着快適性を向上。ドライバーの配置構造を見直して小型化し、骨伝導ユニットのブラケットも二重最適化。長時間の装着でもストレスがありません。
ケーブルはLitz T2構造を採用した手編みの4芯 単結晶銅線ケーブルを付属。3.5mmおよび4.4mmの交換式プラグを採用しています。
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BQEYZ Winter II」のカラーバリエーションはグリーンおよびグレーを選択可能。
日本国内ではMakuakeでの先行募集を終了し、今後49,000円にて一般販売が行われる予定です。


免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして BQEYZ より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

BQEYZ Winter II」のパッケージは本体形状をイメージしたシンプルなデザイン。今回はグリーンのモデルで届いています。
本来はMakuake募集中に依頼をいただいておりましたが、私の体調不良(およびそれに伴う耳の不調)のため、9月は全てのレビュー掲載を延期しており、了承のうえこのタイミングでの掲載となりました。
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パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、交換用プラグ(3.5mm、4.4mm)、メタルプレートに固定されたイヤーピース(黒色タイプ、グレータイプが開口部の違いで2種類、それぞれS/M/Lサイズ)、青色軸のイヤーピース(S/M/Lサイズ)、ノズルブラシ、ハードケース、説明書など。
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BQEYZ Winter II」のシェル形状はオリジナルの「Winter」より小型化され、より耳に収まりやすいデザインにアップグレードされました。フロントキャビティ(装着側)の骨伝導ユニットによる出力ベント(空気孔)は「Winter Ultra」と同じ3つ穴タイプになっています。またベントはステムノズル下にもう1カ所あります。
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シェルサイズは小型化されたものの、フェイスデザインは「Winter」シリーズを踏襲しており、流線型のカッティングが美しい意匠となっています。なお、カッティングされたウェーブデザインは「Winter」シリーズの各モデルで異なっていることが確認出来ますね。
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BQEYZ Winter II」の11.6mmのPZT骨伝導ユニットと12mmダイナミックドライバーを直列配置している点は従来モデルと同じですが、配置などを見直すことで装着部はより小型化(約22%とのこと)しており、実際の装着性も耳に収まりやすい印象になっています。
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ケーブルはブラックに近いダークグリーンの被膜で覆われた4芯タイプの撚り線ケーブルで、プラグ交換式を採用しました。付属プラグは3.5mmと4.4mmの2種類。被膜は適度な弾力があり、取り回しは良好です。
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イヤーピースは軸部分が柔らかい黒色タイプと、通常タイプが開口部の大きさで2種類のタイプ、そして別タイプのイヤーピースが3サイズ付属します。付属品のほかには他にもよりフィット感を高めるため各社の液体シリコンタイプへの交換も良いと思います。なお、骨伝導ユニットはシェルを耳内にしっかりフィットさせることが重要なため、イヤーピースはより深く挿入できるよう、必要に応じて多少小さめのものを選ぶのが良いかもしれませんね。


■ サウンドインプレッション

BQEYZ Winter IIBQEYZ Winter II」の音質傾向はオリジナルの「Winter」をニュートラルサウンドを踏襲しつつ、全体的にダイナミックレンジ向上。透明感や見通しの良さをより実感出来るスッキリした方向に進化しました。新しアップグレードされたPZT(圧電/ピエゾ)骨伝導ユニットは中高域から高域にかけて自然かつ直線的な印象で鳴りつつ、骨伝導によりより高周波のピークを着実に伝達。また従来の「Winter」シリーズ同様に骨伝導ユニットによるわざとらしさは無く自然にブーストします。またダイナミックドライバーによるボーカル域を中高域を中心に適切に保管し、よりシルキーな滑らかさのある印象フラット方向のバランスを維持したまま存在感を強調させています。また12mmの大口径による低域の表現も優れ、新しいボイスコイルの採用で自然な響きとレスポンスのスピード感を両立しキレのある豊かなサウンドを実現しています。

もともとの「Winter」も「四季」シリーズの最終形として生まれたイヤホンのため完成度は非常に高く、「Winter Ultra」および今回の「BQEYZ Winter II」も全体のフラット方向でややU字寄りの微ドンシャリくらいの傾向は維持されています。オリジナルの「Winter」は高い解像感と倍音効果を増したような広く厚みのある音場感が特徴で、「Winter Ultra」ではややV字方向のチューニングを行うことで音場感よりボーカル域の映え感やメリハリ感などが強調されていました。
BQEYZ Winter IIこれに対し今回の「BQEYZ Winter II」では双方のドライバーのアップグレードやシェルデザインの改良などを経て両方のいいとこ取りをしたような音作りなっており、伸びのある中高域と前傾するボーカル感を持ちつつ、豊かな低域と音場感を両立しており、文字通り「全方位のアップグレード」という表現が適切な印象だと感じました。
ただし、「BQEYZ Winter II」はインピーダンスが40Ωと若干アップしており、再生環境に置いてはより駆動力のある環境が望ましい印象となっています。しっかりした再生環境ではほぼニュートラルなバランスですが、駆動力が控えめで小音量の場合はやや低域寄りの印象となります。ここで高域の伸びを向上させたい場合は再生環境やケーブル等を替えてみることを検討するのも良いでしょう。

BQEYZ Winter IIBQEYZ Winter II」の高域は直線的な伸びのある印象で自然になります。既存モデルの比較では「Winter Ultra」よりはオリジナルの「Winter」に近い印象ですが、それでも透明感は増しており、スッキリとした見通しとキレの良さを感じます。またピエゾの直線的な感覚に近いものの独特の芯のある響きも同様に感じられ、骨伝導ユニットにより超高域をハッキリと捉えられる印象はこのシリーズならではで、ほかの製品では味わえない醍醐味といえる部分でしょう。

中音域はニュートラルで癖の無い印象ながら若干U字方向で女性ボーカルの高音など中高域は骨伝導ユニットよる補完もあって多少前傾します。オリジナルの「Winter」より全体的にスッキリとした印象で見通しが良く、解像感や分離感も向上しています。キレの良い音ですが輪郭は滑らかでソリッドな印象では無い点は「Winter Ultra」より自然です。
BQEYZ Winter IIいわば「Winter」の自然な音場感と「Winter Ultra」のスッキリした明瞭感を両立しつつ、質感も見通しの良い滑らかなサウンドに向上した印象という感じでしょうか。
骨伝導ユニットは実際は高域寄りで作用しますが、ボーカル域に含まれる高域成分やより可聴域外の高周波を外耳道付近の側頭骨から伝達するため、ややカマボコ寄りでエッジの効いた明瞭な表現に感じさせる効果があるようです。広い音場感と見通しの良い分離感をもつことで定位も正確さがあり、演奏も混雑すること無く綺麗に再生されます。

低域は全体のバランスとしてはニュートラルな量感ですが、12mmドライバーによる豊かな音像表現により適度な重量感と直線的な見通しの良さを両立しています。、新しいボイスコイルの採用などのアップグレードもあり、自然な響きとレスポンスのスピード感を両立しキレのある豊かなサウンドを実現しています。
ミッドベースは自然な輪郭と締まりで直線的に鳴り、スピード感とともに適度な厚みがあります。再生環境によってはやや低域寄りになりますが、駆動力のある環境では締まりが向上し見通しが向上します。重低音は深く沈み自然な重量感があります。音像が広いため密度感はあまり感じないため音数の多い曲でも余裕を持って鳴らしますが、よりタイトなインパクトを求める方にはやや物足りないかも知れませんね。


■ まとめ

BQEYZ Winter IIというわけで、「BQEYZ Winter II」は「Winter」シリーズの3度目のアップグレードということで、既存モデルの良いところを伸ばし、骨伝導ユニットを活かしたニュートラルサウンドサウンドを楽しめる美音系イヤホンとしてさらに進化を遂げました。
コンパクト化したシェルデザインにより装着性が向上し、より骨伝導ユニットの恩恵を受けやすくなった点も良いアップデートですね。
ニュートラルサウンドをベースとし広い音場感を持ちつつ、骨伝導ユニットによるブーストで全体の質感とボーカル域を向上させ、他には無い心地よいリスニングサウンドを実現しています。レビュー掲載時点で、もうすぐ一般発売も開始されると思いますが、一度試聴してみてアップグレードされた魅力を実感いただければと思います。