
こんにちは。今回は「HAYLOU S40」です。最近日本のアマゾンでも購入可能になったブランドのようですが、実質6千円台の低価格ながらデュアルドライバー搭載、LDAC対応、最大-50dBのANC搭載、そしてアプリ対応など機能面でも網羅し、さらにヘッドセットマイクや有線接続での機能性など個性的な魅力も感じる、ライトユーザーにも最適なワイヤレスヘッドホンです。
■ 製品概要と購入方法について
「HAYLOU」はワイヤレスのポータブルオーディオやスマートウォッチ等の製品を手がけるブランドで、同社が新たにリリースしたヘッドホン製品が「HAYLOU S40」です。あらたに日本向けの展開も開始しアマゾンでも製品展開を開始しています。
「HAYLOU S40」はBluetooth 6.0に対応し、ドライバーには40mm+20mmの同軸デュアルダイナミックドライバーシステムを採用。LDACコーデック対応、最大-52dBのスマートANC機能、没入感あふれる360°空間オーディオ、最大90時間のバッテリー稼働時間に対応した高性能ヘッドホンです。


ドライバーには新開発の40mm+20mm デュアルダイナミックドライバーを搭載し、LDACコーデックに対応、Hi-Res/Hi-Res Wireless認証を取得しています。また360°空間オーディオモードでは、映画のサラウンド音場やライブ音源の臨場感を高め、電車通勤中や自室でも「まるでコンサートホールにいる」ような没入感を提供します。
ノイズキャンセル機能としては最大-50dBのアクティブノイズキャンセル機能を搭載。「Deep ANC」「Smart ANC」「Adaptive ANC」そして「transparency(外音取り込み)」モードの切り替えに対応し、さまざまな周辺環境に最適なサウンドでの利用が可能です。


最大再生時間は90時間(ANC OFF)、ANC ON時でも最大60時間、10分間の充電で5時間利用可能な急速充電にも対応します。音声通話用のマイクはプログレードの脱着式マイクを採用しています。
また「HAYLOU S40」は同社の「HAYLOU SOUND」アプリに対応。各種詳細設定のほか、80msの低遅延(ゲーム)モードにも対応します。また2台のデバイスと同時接続可能なマルチポイント接続に対応しています。


カラーバリエーションは「ブラック」と「ホワイト」の2種類が選択可能です。
「HAYLOU S40」の価格は7,989円です。 ※掲載時 1598円OFFクーポン配布中です。
Amazon.co.jp(HaylouDirect):HAYLOU S40
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして HAYLOU より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回は「HAYLOU S40」の「ブラック」が届きました。パッケージは同社イヤホン製品同様に製品画像を乗せたシンプルなパッケージデザイン。裏面には製品仕様等が記載されています。


パッケージ内容は、ヘッドホン本体、充電用およびデジタル接続用USB Type-Cケーブル、マイクケーブル、説明書。


本体は樹脂製のシンプルな形状で楕円形のイヤーカップを中心にすっきりとまとまった洗練されたデザインですね。イヤーパッドは低反発クッション素材を採用しています。側圧は強めですが、柔らかいフィット感でしっかり耳を覆い、眼鏡着用でも長時間のリスニングでも痛くならない印象の装着感ですね。


本体の右側下部には電源ボタンと+/-ボタン、「ANC」ボタンと、デジタル接続/充電用USB Type-Cポートとマイク接続用ポートが配置されます。またイヤーカップ上部がタッチセンサー機能が割り当てられています。


このタッチセンサーが再生/停止や受話/終話が割り当てられており、+/-ボタンは1回押しで音量調整、長押しで曲送り/戻しとなります。「ANC」ボタンはノイズキャンセリングのON/OFFと切替えられます。
■ インプレッション
「HAYLOU S40」は「Haylou Sound」アプリによる制御が可能です。アプリをインストールしアカウントを登録、ログイン後に「HAYLOU S40」をペアリングすることでアプリ上でも認識し各種設定を行えます。
「Haylou Sound」アプリ画面では「ANC」モードの変更のほか、「LDACモード」のON/OFF(初期設定状態ではAACコーデックで接続)、「ゲームモード」「空間オーディオ」のON/OFF、音楽モード(イコライザー)の設定などが可能。


「LDAC」を有効にするためにはいったんANCをOFFにしてからLDACのスイッチを入れます。本体が再接続され接続後は改めてANCを有効にすることが可能です。なお、「ゲームモード」「マルチポイント」「空間オーディオ」の各設定はLDAC未対応のため、スイッチをOFFにしてAAC/SBCでの接続にする必要があります。サウンドモードは複数のプリセット、設定済みユーザープロファイル、カスタム(EQ)設定が選べます。
「HAYLOU S40」の音質傾向は標準のAAC/SBCモードと「LDAC」スイッチを有効にした高音質モードでかなり印象が異なります。全体としての傾向は中低域寄りの弱ドンシャリですが、AACモードの場合はかなりウォーム寄りでややゆったり目のサウンドで、LDACモードを有効にすることで、適度な温かみを維持しつつ見通しが向上し多少スッキリしたサウンドに変化します。ニュートラル寄りの傾向が好みの方はたぶん「LDAC」モード一択となると思います。
いっぽうでAACモードでは女性ボーカルの高音なども綺麗に鳴り、籠もるような印象は無く自然な印象ですが、同時に適度にエッジがとれたまろやかさがあり、聴き疲れしにくい、ゆったりした印象があります。動画視聴とも相性が良い印象ですね。
ANC(アクティブノイズキャンセル)機能は最大-50dBということですが、印象としては無音化というよりは、耳障りな環境ノイズを適度に低減し、ストレスのないリスニング環境に近づけるアプローチ。そのため最もANCを強くしても人の声などはそれなりに聞こえる印象です。最近では非常に強力な無音化性能の高い製品も増えていますが、「HAYLOU S40」も通常のANCモードで3段階、プラス「アダプティブANC」モードの4段階が選択でき、さらに外音取込み、風切り音軽減なども備えているなど機能としては十分で、効き方も実用的な印象だと思います。またBluetooth 6.0対応と言うことで、特にAACモード時は屋外での接続性も良好です(LDACモードは転送レートが高いため、混雑した場所では途切れやすくなります)。個人的には実質6千円台のヘッドホンと考えるとかなり優秀なのでは、と思います。
なお、「HAYLOU S40」は標準ではLDACモードがOFFになっており、有効にするためにはAndroidアプリが必要なこと、ゲームモードやマルチポイントなどの設定も基本的にこのアプリに依存していることから、それ以外の環境では通常のAACモードでの接続になります。そのためPCなど複数の環境でマルチポイント接続をしたい場合などは、LDACモードでの比較的スッキリしたニュートラルなサウンドに対し、AAC/SBCモードの中低域寄りでウォームなドンシャリという印象で使用するケースが増えるかもしれません。
しかし、付属のUSBケーブルで有線接続すれば、こういったLDACが使用できない環境でも本来の明瞭なサウンドで利用することができます。有線接続でもANC機能を利用することもできますし、なによりAACのゲームモード(低遅延モード)よりさらに低遅延(ほぼ遅延ゼロ)ですので、特にゲーミング用途では有線接続がもっとも良い利用方法かもしれませんね。
また「HAYLOU S40」の特徴的な機能としてヘッドセットマイクが付属しており、接続することで非常にクリアな音声通話ができる点も大きな特徴です。この辺は完全にゲーミングヘッドホンとしての様相で有線接続と組み合わせてハードなチームプレイにも威力を発揮しそうですね。なお有線接続ではLDAC同様にニュートラル傾向のため定位も比較的正確なため、プレイ中の空間認識も良いと思います。他にも「HAYLOU S40」ではAACモードでのアプリ設定で「空間オーディオ」の設定がありシーンごとの疑似サラウンド設定を行うことができます。正直なところ個人的にはあまり好みでは無かったものの、組み合わせによっては変わった効果を楽しめる可能性もありますね。
■ まとめ
というわけで、「HAYLOU S40」ですが、AACモードとLDACモードおよび有線接続で音質傾向がかなり異なる点はちょっと気になったものの、全体的に必要機能を網羅し使いやすくまとめられているヘッドホン製品だと思いました。アプリでの設定が必要なもののLDACコーデックに対応し、強力なANCを搭載、最大90時間利用とスペック面でも遜色無く外観も安物感が皆無なのは良い点でしょう。またイヤーカップ部が再生/停止のタッチセンサーになっているのも実際の利用では便利ですし、有線接続でもANC(ボタン操作でのON/OFF)が利用でき、ゲーミング向けに最適なヘッドセットマイクが付属している点など個性的な要素もあり、そして実質価格が6千円と中華系のブランドの中でもさらに購入しやすい価格設定なのはかなり魅力的だと思います。できるだけお手頃価格でいろいろ使えるヘッドホンを探している方には良い選択肢のひとつになるかもしれませんね。








