
こんにちは。今回は 「SIVGA M300」です。木製のハウジングで質の高いヘッドホンやイヤホン製品を数多くリリースしているSIVGAのイントラコンカ(インナーイヤー)型イヤホンです。高級感のある外観と軽い装着感を活かした滑らかなサウンドが心地よい製品です。
■ 製品概要と購入方法について
「Sivga Audio」は2016年に中国で設立されたSivga Electronic Technology社のオーディオブランドで、主にハイエンドヘッドホンの市場で製品を展開しています。私のブログでもこれまでさまざまな同社製ヘッドホンおよびイヤホンなどを紹介してきました。
今回の「SIVGA M300」は、2025年10月10日に発売された最新のイントラコンカ(インナーイヤー型)で、SIVGAらしい天然木と金属を組み合わせた高級感のある外観が特徴です。大型ダイナミックドライバーのパワフルさと黒檀(エボニー)ハウジングによる木のぬくもりを感じられる暖かいサウンドを100ドル以下で実現したモデルです。


「SIVGA M300」には 15.4mm大型フラットヘッドダイナミックドライバーユニットを搭載。グラフェンコート振動板を採用し、タイトで深みのある低域と適度に際立つボーカル、迫力ある音場、伸びやかな高域を実現。さらに高純度無酸素銅ボイスコイルを採用することで信号伝送損失が低く、音の解像度が最大化。剛性と靭性の完璧なバランス、高周波数は透明でクリア、中周波数は暖かく自然なサウンドを楽しめます。


また天然木によるハウジングはアフリカ産の黒檀(アフリカン・エボニー)とCNC加工された航空アルミニウム合金により構成され、視覚的な美しさに加え、不要な共振を抑制し、金属で剛性を確保することで、解像度と響きの両立を図っています。


「SIVGA M300」の価格は65ドル、日本国内では代理店の01Diverseより9,980円で販売されています。
Amazon.co.jp(01Diverse): SIVGA M300
01Diverse直営店: SIVGA M300
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして 01Diverse より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「SIVGA M300」のパッケージはシンプルな黒箱タイプ。雰囲気のある表面処理のあるボックスです。


パッケージ内容はイヤホン本体、イヤーパッド(3ペア)、ケース、説明書。この価格帯の製品でしっかりしたケースが付属しているのは有り難いですね。


「SIVGA M300」の本体はSIVGAらしい木製と金属製のコンビネーション構成。CNC加工されたアルミニウム合金製の部分は鮮やかゴールドカラーで仕上げられており豪華さを感じさせます。
木製の部分はアフリカ産の黒檀材を使用しているようですが、よく知られる黒檀より明るくややローズウッドのような色調の木材ですね。それでも黒檀らしく非常に硬質で美しく光沢のある表面仕上げとなっています。


15.4mmの大口径ドライバーを搭載するためハウジングはやや大きめですが軽量で装着しやすいデザインにより比較的装着はしやすい印象。ドライバー後方のハウジングが耳から伸び、ケーブルを垂らすような装着感になります。また耳かけ型での装着も可能です。


付属ケーブルは銀メッキ無酸素銅線ケーブルを採用。同価格帯のイントラコンカとしては太さのある線材で4芯タイプの撚り線タイプ。被膜は適度な弾力があり、取り回しは良くタッチノイズもほぼ問題ない印象です。
■ サウンドインプレッション
「SIVGA M300」の音質傾向はイントラコンカらしい低域に自然な深みのある音像で、適度に温かく心地よい響きのあるサウンドです。ウッドハウジングにより上品さのある明瞭感と適度な柔らかさがあり、同時に厚みのある低域で下支えし、豊かさを演出します。最近ではカナル型に近いダイレクトな印象の製品も増えていますが、「SIVGA M300」はよりトラディショナルな、豊かな空間表現を楽しめるサウンドです。インピーダンスインピーダンス64Ω、感度109dB/mWとイントラコンカとしては一般的か若干鳴らしにくい程度の印象ですがスマートフォン直挿しでもある程度十分に音量は確保出来る印象。
「SIVGA M300」の高域はやや暗めな印象もありますが、自然な音色で滑らかさがあります。また若干後方で定位するものの量的に不足は無く抜けも良い印象です。イントラコンカとしては過不足無く一般的な印象ですが、伸びやかさは一般的で超高域もそこまで明瞭ではないため、高域の明瞭さやカナル型に近いダイレクト感のあるサウンドを好まれる方には多少物足りないかもしれません。
中音域はやや凹むものの適度に温かみを感じさせつつ解像感のある音で再生されます。またボーカル域は若干前傾していますが強調感は無く自然なバランスです。女性ボーカルは刺激を抑えつつ抜けの良い印象で男性ボーカルは豊かでやや落ち着いた印象で再生されます。落ち着いた上品さを感じる鳴り方ですね。同クラスのイントラコンカとして解像感は高めで息づかいなども良く感じ取れる印象。自然な空気感と見通しの良さ、透明感があります。演奏も綺麗に分離しつつ、個々のディテールより全体の質感を重視し、空気感のある自然な音色で再生されます。音場も適度に広く全体的に風通しが良い印象ですが正確な定位より雰囲気を重視する印象があります。全体的に輪郭は柔らかく自然で明瞭感より滑らかさを重視する印象ですね。
低域はイヤーパッド無しでも適度な量感で、中高域同様にやや穏やかさを感じる上品な質感で鳴ります。ミッドベースはスピード感より滑らかさを感じます。また自然な範囲で若干膨らみますが過度に響くことは無く、自然な楽しさや心地よさがあります。重低音は自然な深みと弾力性を感じます。残響音もある程度あり音場感と雰囲気を演出します。輪郭はそこまで明瞭ではありませんが全体として雰囲気のある印象でまとまっている感じですね。全体的に適度な深さと温かみのある音色になり、雰囲気のある低域になっています。■ まとめ
というわけで、「SIVGA M300」はSIVGAらしいウッドデザインを活かした柔らかく自然な印象のサウンドで心地よく楽しめるイントラコンカ型イヤホンに仕上げられていました。手頃な価格設定ながら高級感のある外観に、音質的にもバランス良く質感をまとめた印象は、実績のあるSIVGAらしい要素といえるでしょう。イントラコンカらしい軽い装着感で気軽に使えるイヤホンとして、ゆとりのあるひとときをサポートしてくれる存在として、ひとつ持っているとちょっと嬉しい、そんな大人なイヤホンだと感じました(^^)。








