
こんにちは。今回は 「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」です。「Z Reviews」とのコラボレーションし、スペックとしては72mm×89mmサイズの平面駆動ドライバーを搭載しつつ密閉型構造を採用した独自性のあるモデルです。平面ドライバーらしい解像感やスピード感を持ちつつ密閉型の迫力や密度感を実現した、特徴的なリスニングヘッドホンです。
■ 製品概要と購入方法について
「Kiwi Ears」は2021年に登場した新しいポータブルオーディオの中華ブランドですが、非常に早いペースで新製品を投入しており急速に知名度が高まっていますね。同社のイヤホン製品は豊富なラインナップと質の高いサウンドで多くのマニアから注目を集めています。最近はオーディオアダプターなどのプレーヤー製品やヘッドホン製品などより幅広いラインナップでの展開も積極的です。
今回の「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」は、密閉型構造を採用した平面磁界型ヘッドホンで、独自の72mm×89mm 密閉型平面磁気ドライバーを搭載。独自の反射フィルターにより後方反射波を排除する設計を採用し、自然な音色、深くコントロールされた低音、そして透き通るような高音を実現します。超高速の応答と周波数範囲全体にわたる解像度の高い明瞭サウンドを提供します。


本体はレトロなインスピレーションを受けたモダンなデザインを採用。軽量なポリマー製ハウジング、アルミニウム製フレームにより耐久性とエレガンスを兼ね備えています。柔らかくヴィーガンレザーで覆われたイヤーパッドを採用し、長時間のリスニングでも快適な装着性を実現。デュアルピボットジョイントが頭の形にフィットし、スプリングスチール製のクランプで調整することで、自分にぴったりのフィット感を得ることが出来ます。


「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」の密閉型デザインは、カスタムチューニングされた低反発フォームパッドと柔らかなヴィーガンレザーで包まれた構造により、さらに洗練されたものとなっています。独自のフィルターと組み合わせることで、内部の音の回折を防ぎながら外部のノイズを遮断します。その結果、クリーンで歪みのないサウンドと、空気感と自然なプレゼンテーションを備えた静かなリスニング空間を提供します。


「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」の価格は159ドルです。
Linsoul(linsoul.com): Kiwi Ears x Z Reviews: Serene
AliExpress(DD-Audio Store):Kiwi Ears x Z Reviews: Serene
免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Linsoul より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」のパッケージは、なんというか「Z Reviews」のセンス丸出し感のあるデザイン。それそろ誰か「Z Reviews」のZeos氏にクールな日本語について何らかのレクチャーをした方が良いかもしれないですね(汗)。


パッケージ内容はヘッドホン本体、ケーブル、説明書。本体のほうには「例のロゴ」はプリントも型押しの模様もありませんので安心ですね(^^;)。


本体はイヤーカップハウジング部はポリカーボネート製、パープルカラーのヘッドバンドフレームはアルミニウム製。ヘッドバンドとイヤーパッドはヴィーガンレザーで覆われており、イヤーパッドの内側と頭頂部には低反発のクッションが入っています。


72mm×89mm の楕円形の平面駆動ドライバーを搭載することで本体サイズは比較的コンパクトにまとめられており、形状としては一応オーバーイヤー型ですが、装着感としてはオンイヤー的に装着すると厚めのイヤーパッドのクッションで耳が覆われるイメージですね。


そのため側圧はやや強めですが、クッションによるソフトな印象で耳が痛くなることはほぼ無いでしょう。また遮音性も比較的高い印象です。


ケーブルは3.5mm TRSの左右両出しタイプで、布張りの4芯撚り線タイプのケーブルが付属します。標準的なTRSコネクターですのでヘッドホン用のリケーブル製品を使用してバランス化なども容易にできますね。
■ サウンドインプレッション
「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」の音質傾向は中低域寄りのニュートラルで、適度な温かみを感じるサウンド。ウォーム寄りの傾向のため「Serene(穏やか)」という製品名はまあ分からなくはないですが、逆に製品名のイメージよりはかなり解像感があり、エネルギーと迫力のある低域が印象的です。それでも密閉型らしい密度感と厚みを持ちつつも全体としては過激さは無く、落ち着きがあり、スピード感と締まりの良さも感じさせます。「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」では、ヘッドホン用の平面駆動ドライバーとしては比較的コンパクトな長方形型ユニットを使用し、独自の「Refractory」フィルターを備えることで、密閉構造による平面型特有の反射音が振動板に干渉する前に後方で吸収・拡散させ、平面ドライバーらしい解像感を持ちつつシャープすぎない音像表現で鳴らします。さらに厚みのあるクッションで耳を覆うことで遮音性を高める設計により、より没入感を高めるアプローチは思った以上に個性的で、心地よい体験を提供します。そして確かに長時間のリスニングでも快適ですが、やはり「穏やか」ではないな、と感じさせるエネルギーがあります。
なお、「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」の仕様はインピーダンス50Ω±15%、感度102dB±3dBですが、そのスペック以上に音量は取りづらく、しっかりと鳴らすためには十分な駆動力と出力を持つアンプ等の利用を推奨します。私は「FiiO K9 PRO LTD」や「SHANLING EH3」などの据置き環境をメインに利用しましたが、小型のDAPやオーディオアダプターの場合はアナログアンプ等の併用を推奨します。「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」の高域は刺激を抑えつつ明瞭な印象。曲によっては若干のざらつきを感じるものの自然な見通しの良さがあり、寒色系の突き抜けるような透明感や伸びやかさとは異なるものの耳への負担が少なく、聴きやすい印象があります。平面駆動ドライバーの特徴を活かし、歪みを抑えた直線的な印象で解像感は高く、シンバル音も適度な煌めきを感じます。適度な温かみを持ちますが減衰は早く、籠もるような印象はありません。
中音域は適度な温かみを持ちつつニュートラルで、豊かさと滑らかさを感じさせます。平面ドライバーらしい解像感と歪みのない詳細なディテール感を持ちつつ、高性能なダイナミックドライバーを搭載した比較的ハイグレードな密閉型ヘッドホンのような、濃密さと空気感に優れた音像表現が印象的です。それは演出された臨場感などとは異なり、より実在感のある自然なサウンドといえるでしょう。
ボーカル域は適度な量感と自然な音色で再生され、女性ボーカルは滑らかで適度な伸びがあり、男性ボーカルは豊かさを感じます。より正確さのある距離感で定位することでレイヤー感のある空間表現を実感させます。ボーカルが前面に出るサウンドが好みの方にはやや凹んで感じる可能性はありますが、特にライブ音源やアコースティックなサウンドでは実在感が向上します。密度感のある音場表現のため広さはあまり感じないものの自然な距離感と立体的な印象で演奏も自然に分離します。こちらも解像感は高いものの艶感や光沢を強調する事はない印象。自然な空気感と滑らかさで温かみのあるサウンドです。
低域は非常に深く、厚みと存在感があります。平面駆動ドライバーは歪みを抑え直線的な印象から低域をタイトな質感で鳴らすことが一般的ですが、「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」では独自の技術で密閉構造とすることで、その特徴を活かしつつ、さらに密度感と迫力を加えることに成功しています。とても存在感のある低域ですが、締まりがあり膨張したり籠もったりすることはありません。
重低音は深く直線的で、音数の多い曲でも優れた解像感を持ちつつ、奥から響くような豊かさがあります。ミッドベースは直線的かつ締まりのある印象でしっかりとしたインパクトを与えつつ、スピード感と繊細なディテール表現も両立しています。
■ まとめ
というわけで、「Kiwi Ears x Z Reviews: Serene」はシンプルかつモダンなデザインを採用し、平面駆動ドライバーを密閉構造で仕上げるという独自のアプローチで、密閉型らしい濃密さと迫力、そして平面駆動ドライバーらしい歪みを抑えた解像感、スピード感と繊細なディテール表現を両立させた、かなり個性的なヘッドホンに仕上がっています。ニュートラルベースのサウンドのため、ボーカル主体のリスニング向けではありませんが、様々なジャンルの音源で心地よい豊かさを楽しみたい方には最適な選択となるでしょう。長時間のリスニングにも適応し、シンプルなデザインは使いやすさもありますね。スペックおよびサウンドの独自性を考慮すると価格設定は妥当性があり、興味のある方には十分にオススメできると思います。ちなみに、日本のユーザーにとって最大のウィークポイントであるパッケージデザインについては「気にしない」ことが最良の選択となると思います(^^)。








