Hidizs MY LIN (Special Edition)

こんにちは。今回は 「Hidizs MY LIN (Special Edition)」 です。コンパクトDAPやUSB-DAC、イヤホンなどでお馴染みのHidizsによる、1BA+1DD構成のハイブリッドIEMです。ベースとなった「MS2 PRO」の明瞭でスッキリしたハイブリッドサウンドを踏襲しつつ、より低域の厚みやボーカルの近さ、聴きやすさを重視したリスニング寄りのスペシャルエディションとして仕上げられています。
 
■ 製品概要と購入方法について

「Hidizs」はコンパクトなDAPやスマートデバイス用のUSBオーディオアダプター、そしてイヤホン製品まで幅広く展開しているポータブルオーディオブランドです。最近では平面駆動ドライバーを採用した「MP145」シリーズなどの印象も強いですが、比較的手頃な価格帯のハイブリッドIEMも継続的にラインナップしています。

今回の「Hidizs MY LIN (Special Edition)」は、同社の1BA+1DDハイブリッドモデル「Hidizs MS2 PRO」をベースに、別方向のチューニングを施したスペシャルエディションです。MS2 PROが中高域の明瞭さやディテール、分析的な印象を重視したモデルであるのに対し、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」は低域の厚み、ウォームさ、滑らかなボーカル、より没入感のあるリスニング体験を重視しているようです。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)
シェルはZA12亜鉛合金製で、フェイスプレートにはMY LIN専用のカーボンファイバーデザインを採用しています。
搭載されるドライバーは、10.2mmデュアル磁気回路デュアルキャビティ構造のダイナミックドライバーと、Hidizs独自のSilvercore BAドライバーを組み合わせた1BA+1DD構成です。「MS2 PROを踏襲しつつ、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」ではサブベースの存在感やミッドベースの締まり、上部中域から高域にかけての滑らかさを再調整することで、より長時間聴きやすい方向へまとめられています。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)

また「Hidizs MY LIN (Special Edition)」では、MS2 PROと同様に3種類の交換式サウンドフィルターを採用しています。バランスタイプの「Charm Red」、低域寄りの「Midnight Black」、高域寄りの「Crystal Clear」を使い分けることで、ベースとなるチューニングに加えて好みに応じた変化を楽しめる仕様です。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)
さらに本モデルでは、キャラクター「LIN(Ruo Xue Lin)」をモチーフにしたスペシャルエディションとして、アクリルスタンド、ステッカー、マイクロファイバークロスなどの専用アクセサリーも付属します。また購入時に3.5mmまたは4.4mmを選択できます。

Hidizs MY LIN (Special Edition)」価格は通常129ドルです。現在公式サイトでは限定価格89ドル~99ドルで購入可能です。

免責事項:
本レビューではレビューサンプルとして Hidizs より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。


■ パッケージ構成、製品の外観および内容について

Hidizs MY LIN (Special Edition)」のパッケージは、スペシャルエディションらしくキャラクターを前面にしたパッケージデザイン。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)

パッケージ内容は、イヤホン本体、ケーブル、3種類の交換式サウンドフィルター、2種類のイヤーピース、ポーチ、説明書、保証カード。さらに専用アクセサリーとして、アクリルスタンド、絵文字ステッカー、マイクロファイバークロスが付属します。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)

本体は、MS2 PROと同様に比較的コンパクトな亜鉛合金シェルを採用しています。「MS2 PRO」ではレザーテクスチャのフェイスプレートが特徴でしたが、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」ではブラックを基調としたカーボンファイバーフェイスプレートとなり、より落ち着いた精悍な印象になっています。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)
シェル形状はスクエア寄りながら装着部分は耳に沿う形状で、1BA+1DD構成としては比較的扱いやすいサイズ感です。亜鉛合金シェルのため樹脂シェルのような軽さではありませんが、耳への収まりは良く、イヤーピースを適切に合わせれば安定した装着感が得られます。長時間の使用を前提にしたチューニング方向とあわせ、普段使いしやすいモデルとしてまとめられている印象です。
Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)

ノズル部分は交換式フィルターに対応しており、標準のバランスタイプ「Charm Red」、低域寄りの「Midnight Black」、高域寄りの「Crystal Clear」の3種類が選択可能。それぞれのカラーのシリコンリングがフィルターに備えられています。「Hidizs MY LIN (Special Edition)」自体が「MS2 PRO」とは異なるチューニングが施されていますが、フィルターによる変化も極端にキャラクターを変えるというより、ボーカルの近さや低域の厚み、高域の抜け感を好みに応じて整える印象のようです。

Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)
ケーブルは0.78mm 2pin仕様で、購入時に3.5mmまたは4.4mmを選択できます。
さらにキャラクター「LIN(Ruo Xue Lin)」をモチーフにしたスペシャルエディションとして、アクリルスタンド、ステッカー、マイクロファイバークロスなどの専用アクセサリーも付属。通常版の「MS2 PRO」と比較して、キャラクターコラボ的な要素を前面にした充実した付属品が特徴的ですね。


■ サウンドインプレッション

Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)」の音質傾向は、「MS2 PRO」をベースにしつつ、より中低域寄りに厚みを持たせ、ボーカル域を近く滑らかにまとめたリスニング寄りの弱ドンシャリ傾向です。「MS2 PRO」が、1BA+1DDらしいスッキリした高域と明瞭な中音域、適度にエネルギーのある低域を組み合わせた比較的分かりやすいハイブリッドサウンドだったのに対し、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」は、より中低域にフォーカスし、適度な滑らかさと温かみにより没入感を高めた印象です。

「MS2 PRO」ではV字方向に中高域から高域の明瞭さや見通しの良さが分かりやすく、やや寒色寄りでスッキリした音像を楽しめる印象でした。これに足し、今回の「Hidizs MY LIN (Special Edition)」では、中高域からのピークはより控えめにすることで鋭さを抑制し、低域側を多少ブーストして厚みを加えることで、ボーカル域はより近く自然な印象となり、J-POPやアニソンなどのボーカル曲がより聴きやすく鳴った印象です。またベースとしての癖の無い定位に加え適度な音場感により動画視聴、ゲームなどの用途にも合わせやすい印象です。

Hidizs MY LIN (Special Edition)なお、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」の仕様は、インピーダンス17Ω、感度111dBと「MS2 PRO」を踏襲しているため比較的音量は取りやすく、様々な再生環境でも使いやすく調整されています。この点も幅広いターゲットに向いた仕様でしょう。この辺は小型のDAPやオーディオアダプターを数多くリリースしているHIDIZS製品との相性も考慮されている印象です。
交換式フィルターについては、標準の「Charm Red」バランスフィルターを基準に、「Midnight Black」低域フィルターではさらにウォームで厚みのある方向になり、ボーカルや低域の近さを重視する場合に良い組み合わせです。「Crystal Clear」高域フィルターでは「MS2 PRO」寄りの明瞭さに少し近づきますが、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」自体の滑らかさは残るため、スッキリ感を足したい場合に使いやすい印象です。

Hidizs MY LIN (Special Edition)Hidizs MY LIN (Special Edition)」の高域は、「MS2 PRO」よりも刺激感を抑えた滑らかな印象です。BAドライバーによる明瞭さや空気感は維持しつつ、鋭さを多少抑制することで自然な温かみを増している印象です。それでも適度な明るさや煌めきは感じられ、エッジを少し丸めつつも、自然な抜け感を得られます。
シンバル音などの金属的な響きも必要な明瞭感はありますが、粒立ちやキレを強く押し出すタイプではありません。「Crystal Clear」高域フィルターを使用すると抜け感や中高域の明瞭さが少し増し、女性ボーカルやピアノの高音がより前に出る印象になりますが、それでも「Hidizs MY LIN (Special Edition)」らしい温かみと滑らかさを残した変化です。

中音域は、ボーカル域をやや近く、自然な厚みを持って聴かせる印象です。「MS2 PRO」ではよりV字寄りの傾向が顕著だったため、楽曲によっては中音域が少し凹み、ドンシャリらしい、あるいはハイブリッド的なレイヤー感と見通しの良さを感じさせるサウンドでした。これに対し「Hidizs MY LIN (Special Edition)」では、よりボーカル域にフォーカスした印象で、バランスとしてはV字ながら印象としては多少W字寄りに感じられます。ハイブリッド的な明瞭感を残しつつ中高域のピーク感を抑え歯擦音などの刺激を感じさせないウォームさも感じさせます。
Hidizs MY LIN (Special Edition)女性ボーカルは明瞭さを維持しながら、過度に鋭くならず、少し滑らかで聴きやすい質感です。伸びや透明感を強く押し出すタイプではありませんが、声の輪郭は自然で、高音のピークも比較的穏やかに処理されます。男性ボーカルは低域側の厚みが加わることで、「MS2 PRO」よりも落ち着いた密度感があり、淡泊になりにくい印象です。
音場は左右方向に自然な広がりがあり、少し前傾するボーカルを中心にまとまりよく定位します。「MS2 PRO」のほうが明瞭な分離や前後のレイヤー感がありましたが、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」はボーカル域を中心に音像のつながりや自然な空間表現を優先した印象です。そのため特にJ-POPやアニソン、女性ボーカル曲との相性が良い印象です。

低域は重低音を中心に「MS2 PRO」よりブーストされておりより厚みと存在感のある音で鳴らすようになりました。変化を最も感じやすい点ですね。「Hidizs MY LIN (Special Edition)」では重低音の存在感とミッドベースの厚みを加え、より包み込むような低域表現になっています。それでもミッドベースは比較的締まりを意識した調整で、中音域とは綺麗に分離しマスクしないバランスです。
ミッドベースはアタックは適度にパワフルで、リズムをしっかり支える印象。重低音は「MS2 PRO」より深さと雰囲気を感じやすく、全体的な没入感が向上しています。ただしキレやタイトさを強調するタイプでは無いため、適度な温かさと自然な厚みを加えた印象ですね。


■ まとめ

Hidizs MY LIN (Special Edition)というわけで、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」は、「MS2 PRO」をベースにしながら、キャラクターを全面にしたパッケージデザインの印象通り、アニソンなどのボーカル曲と相性の良さを感じさせる中低域寄りのリスニングサウンドにチューニングを再構成していました。オリジナルの「MS2 PRO」はより明瞭なV字サウンドで、ハイブリッドらしいスッキリした分離感を楽しむモデルだったのに対し、「Hidizs MY LIN (Special Edition)」は低域の厚み、近めのボーカル、滑らかな高域による聴きやすさが印象的です。明瞭さ確保しつつ、音楽全体を気持ちよく聴かせる方向に仕上がっていますね。充実したアクセサリーとパッケージングも併せて、趣味的なイヤホンとしてよくまとまっているモデルだと思います。