
こんにちは。今回は 「TRN Caravel」 です。前回に続きTRN製品ですが、今回は10mmガラス振動板ダイナミックドライバーと6mm平面駆動ドライバーを組み合わせた1DD+1Planar構成のハイブリッドモデルです。ガラス振動板らしい硬質感と平面駆動による中高域の明瞭さを組み合わせつつ、付属品も充実した1万円前後の魅力的なイヤホンだと思います。
■ 製品概要と購入方法について
「TRN Caravel」は、低価格からミドルグレードまで幅広い有線イヤホンやリケーブル、Bluetoothアダプターなどを展開するTRNの1DD+1Planar構成のモデル。「TRN Caravel」では、ガラス振動板ダイナミックドライバーと6mmサイズの小型平面駆動ドライバーを組み合わせた構成を採用し、ボーカルの明瞭さと広帯域の解像感を重視した設計がおこなわれています。シェルはシルバーカラーの亜鉛合金製で、プロによるアコースティックチューニングを実施しています。
「TRN Caravel」のドライバーは、低域側に10mmデュアル磁気回路ガラス振動板ダイナミックドライバーを搭載。ガラスドーム振動板とPUエッジを組み合わせた構造で、高い剛性と軽量さにより分割振動を抑え、低歪みで力強く解像感のある低域を再生を実現。またデュアル磁気回路により振動板の制御性を高め、低域のインパクトと空気感を両立しています。
さらに中高域側には新開発の6mm平面駆動ドライバーを搭載。小型平面駆動ユニットにより音場の広がりやディテール密度、弦楽器やボーカルの質感表現を高めています。10mm ダイナミックドライバーと6mm平面駆動ドライバーを組み合わせた構成により、低域から高域までのつながりを自然にまとめるチューニングを実施しています。
さらに中高域側には新開発の6mm平面駆動ドライバーを搭載。小型平面駆動ユニットにより音場の広がりやディテール密度、弦楽器やボーカルの質感表現を高めています。10mm ダイナミックドライバーと6mm平面駆動ドライバーを組み合わせた構成により、低域から高域までのつながりを自然にまとめるチューニングを実施しています。


付属ケーブルは4芯構成の銅銀ハイブリッド導体ケーブルで、酸素フリー銅と銀メッキ線を組み合わせたLitz構造を採用しています。交換式プラグを採用し、3.5mmと4.4mm、Type-Cコネクタが付属します。またイヤーピースは、ファン形状シリコン、黒赤半透明シリコン、白色ソフトシリコン、フォームタイプの4種類が各S/M/Lで付属し、合計12ペア付属します。
「TRN Caravel」の価格は60ドル前後、アマゾンでは9,950円です。
Amazon.co.jp(TRN直営店): TRN Caravel
Amazon.co.jp(TRN直営店): TRN Caravel
■ 免責事項
本レビューではレビューサンプルとして TRN Audio より製品を提供いただきました。機会を提供してくださったことに感謝します。ただし本レビューに対して金銭的やりとりは一切無く、レビュー内容が他の手段で影響されることはありません。以下の記載内容はすべて私自身の感想によるものとなります。
■ パッケージ構成、製品の外観および内容
「TRN Caravel」のパッケージは製品名の“Caravel”らしく帆船のイラスト。海洋シリーズの多くがモチーフとなった海洋生物のイラストなので今回はちょっと意匠の異なるデザインですね。
パッケージ内容は、イヤホン本体、交換式プラグ対応ケーブル、3.5mmプラグ、4.4mmプラグ、Type-Cプラグ、イヤーピース各種、収納ポーチ、説明書などです。イヤーピースはシリコンタイプ3種類とフォームタイプ1種類が各S/M/Lで付属し、価格帯を考えるとかなり充実した内容です。




シェルは耳に収まりやすいサイズ感でノズルは一般的な太さ。付属イヤーピース以外にも多くの市販イヤーピースを使用しやすい形状です。装着時はややシェルの重さを感じるものの、耳掛けケーブルとあわせて安定したホールド感があります。


付属ケーブルは4芯タイプの銅銀ハイブリッド導体ケーブルで、被膜は比較的しなやかで取り回しも良好です。交換式プラグの採用で3.5mmと4.4mm、さらにType-Cプラグを使い分けられるため、環境に合わせて利用できます。
イヤーピースは4種類が付属し、ファン形状シリコンはボーカル域の明瞭感、黒赤半透明タイプはバランス重視、白色ソフトシリコンは中音域の厚み、フォームタイプは高域の刺激を抑えたウォーム寄りという位置づけのようです。
■ サウンドインプレッション
「TRN Caravel」の音質傾向は、バランスの良い中低域寄りのドンシャリ。分かりやすいV字傾向で厚みのある低域と明瞭で見通しを確保した中高域から高域があり、ボーカル域の抜けや高域の明瞭さも確保したリスニング寄りのサウンドです。10mmガラス振動板ダイナミックドライバーによる低域は量感と密度があり、6mm平面駆動ドライバーが中高域の輪郭や分離感を補うことで、イマドキの適度な温かみのあるボーカル域とTRNらしい分かりやすいメリハリ感を両立したサウンドにまとめられています。
インピーダンス29Ω、感度108dBという仕様のため、小型オーディオアダプターやDAP等でも十分に音量は取りやすい印象。ただし、低域の制動や平面駆動ドライバーによる中高域の粒立ちを考えると、ある程度駆動力のあるDAPやアンプと組み合わせたほうが、「TRN Caravel」らしい明瞭さと分離感を感じやすいと思います。付属ケーブルで4.4mmバランス接続を使用すると、低域の締まりや左右方向の見通しが向上し、全体のメリハリも少し分かりやすくなります。
高域は適度な温かみを持ったイマドキの聴きやすい音にまとめながら、超高域のアクセントにより明るさと空気感を持たせた音作り。中高域からのピークは早めに設定し刺さりやすい帯域をコントロールすることで適度にウォームにまとめつつ、6mm 平面駆動ドライバーにより超高域にアクセントをいれることでスッキリした見通し感を維持しています。ダイナミックドライバーでウォーム寄りにまとめ小型平面ドライバーで超高域のアクセントを持たせる最近増えている音作りを踏襲することで、聴きやすい明瞭さをもつ反面、TRNらしい寒色系のキレ感などはあまり感じない印象となります。中音域は比較的分かりやすいV字傾向のため曲によっては少し凹みます。ただし中高域および中低域に厚みを持たせるU字寄りまたはW字に近いチューニングのため、ボーカルは自然な距離感を維持しつつ少し前傾した印象で適度な厚みと自然な輪郭を保ちながら再生されます。
女性ボーカルは中高域の明瞭さにより伸びやかで、適度な透明感を伴う印象です。男性ボーカルは低域側の厚みによって声の支えがあり、細くなりすぎず自然な密度感があります。演奏との一体感を保ちながら、少し広めの空間で自然に定位させる印象です。
女性ボーカルは中高域の明瞭さにより伸びやかで、適度な透明感を伴う印象です。男性ボーカルは低域側の厚みによって声の支えがあり、細くなりすぎず自然な密度感があります。演奏との一体感を保ちながら、少し広めの空間で自然に定位させる印象です。音場は左右方向に自然な広がりがあり、さらにV字傾向によるレイヤー感により主張のある低域に対しても窮屈になることなく再生されます。演奏との分離は良好で、楽器の輪郭や音の粒立ちも自然な明瞭さがあります。キレ重視ではありませんが適度な温かみと明瞭さのバランスが良いリスニングサウンドです。
低域は適度にブーストされた厚みを持ちつつ、ガラス振動板らしい温かみとレスポンスの良さを両立した印象で自然に鳴ります。ミッドベースはしっかりした量感と厚みがあり、キックやベースラインは適度に主張があります。硬質感と反応の良さがあり、過度に膨らみすぎることなく、アタックも明瞭です。重低音は十分な沈み込みと押し出しがあり、楽曲全体をしっかり下支えします。低域がやや強めのバランスではありますが、高域側の明瞭さもあるため、全体がウォームに寄りすぎず、メリハリのある聴きやすいサウンドにまとまっています。
■ まとめ
「TRN Caravel」は、低域に厚みのある中低域寄りのサウンドで聴きやすくまとめていますが、同時TRNらしい分かりやすいV字方向のドンシャリ傾向も踏襲しています。またチューニングとしては10mmガラス振動板ダイナミックドライバーと6mm平面駆動ドライバーを組み合わせにより、早めにピークのあるウォーム寄りのサウンドに超高域のアクセントでスッキリした見通し感を持たせたイマドキの音作りでまとめられています。かつてのTRNのような寒色系のメリハリサウンドとは異なり、最近の「メタ(New Mera)」傾向のサウンドを意識した印象もありますが、ニュートラル方向でなくV字傾向でチューニングされ、十分にブーストしつつガラス振動板によるレスポンスの良さで自然な締まり感を持たせた低域などリスニング的な楽しさを感じさせます。また60ドル級、1万円以下の手頃な価格設定ながら付属品も充実している点も好感できますね。















